白鵬 夢は「平成の鉄人」!V32そして東京五輪まで現役へ

[ 2014年10月24日 06:40 ]

朝稽古で深呼吸する白鵬

 大相撲の秋巡業は残すところ3カ所となり、力士団一行は23日、岡山県倉敷市内で休養した。そんな中、九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)で大鵬に並ぶ史上1位の32度目の優勝を目指す横綱・白鵬(29=宮城野部屋)がスポニチ本紙の取材に対応。歴史的偉業に挑む瞬間が刻一刻と迫る中で現在の心境を語った。

 次なる戦いの舞台である九州場所で、ついに憧れの大鵬のV32に挑む白鵬。現時点での大記録への意識について尋ねると「全くない!」と断言した。重圧を取り除くために“意識的”に考えることをやめているのかどうかについても「あえて、とかはない。まずは九州に乗り込んでみないと分からないし、場所が始まってみないと分からない」と無心を強調。岡山、広島、山口での残り3カ所の巡業を終えたその足で九州に向かうが、自らの感情はその場の流れに任せるつもりだ。

 先場所は逸ノ城が台頭したが、その“怪物”を直接対決で下してV31を達成。他にも遠藤、照ノ富士ら新星が次々と上位に上がってくる中、自らを「金の扉」と称し、若手の壁となってきた。しかも、横綱に昇進して以来7年以上も無休。横綱在位43場所全て2桁勝利を挙げ、最近10場所は金星を与えていない。

 強さの要因について「いろいろなことを経験しているからこそ、普通じゃないものが生まれてくるんじゃないかな」と不祥事に揺れた数年前の角界を支えた自負だと説明。当時について「とにかく土俵に上がるのが怖いというのがあった。でも、その時に何かが見えた。結果は関係ないんだということ。千秋楽まで務めて終わってみれば、つかんだものが何かを学べるのだと思った」と述懐した。

 そんな白鵬が抱く夢。2020年の東京五輪まで現役を続けることだ。「昭和時代には鉄人と言われた方々がたくさんいましたし、そうそうたる横綱もいた。そういう意味では平成で“こういう力士がいたんだ”と言われるように頑張りたいし、またその逆に平成で活動している方々にも“我々の時代にこういう横綱がいた。こういう強い人がいた”と思ってもらいたい」。V32は通過点だと捉えている。だからこそ、大偉業の瞬間が迫っていても自然体を貫ける。6年後まで現役という夢を達成した時、35歳の白鵬は“平成の鉄人”の境地に達する。

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2014年10月24日のニュース