義足の五輪ランナーに禁錮5年、南アの恋人過失殺人

[ 2014年10月21日 18:52 ]

 南アフリカの自宅で発砲し、恋人の女性を死亡させたとして、過失殺人罪で有罪判決を受けた両脚義足の五輪ランナー、オスカー・ピストリウス被告(27)に首都プレトリアの高裁は21日、禁錮5年の実刑を言い渡した。

 裁判官は「被告の過失が招いた結果は軽視できない」と述べ、「禁錮刑以外は(社会に)誤ったメッセージを送るが、長期刑は不適切だ」と説明した。他に有罪となった飲食店で発砲した罪については禁錮3年、執行猶予5年とした。

 被告は昨年2月、プレトリアの自宅でトイレに向かってドア越しに発砲し、中にいた恋人でモデルのリーバ・スティンカンプさん=当時(29)=が死亡した。被告は強盗と勘違いしたと主張していた。

 裁判官は今年9月の判決公判で、明確な殺意は否定する一方、「トイレの中に人がいることを知りながら発砲したのは過失に当たる」と指摘、有罪判決を言い渡した。

 今月13日に始まった量刑を判断する公判で、弁護側は被告が反省しているとして実刑を回避するよう訴え、検察側は長期の禁錮刑を求めた。

 被告は五輪史上初の両脚義足の陸上選手として2012年のロンドン五輪に出場し、パラリンピックではメダルを獲得した。南アの国民的英雄が起こした事件として報道が過熱した。(共同)

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2014年10月21日のニュース