登坂 女子48キロ級金!強敵連破、昨年の51キロ級世界女王に完勝

[ 2014年9月28日 05:30 ]

女子48キロ級で優勝し、表彰式で金メダルを手に笑顔の登坂

仁川アジア大会第9日

(9月27日)
 レスリングの女子48キロ級で登坂絵莉(21=至学館大)が“世界女王対決”を制して金メダルに輝いた。決勝では昨年の世界選手権51キロ級優勝の孫亜楠(22=中国)を5―1で撃破。連覇を達成した10日の世界選手権に続いて強さを示した。63キロ級では渡利璃穏(23=アイシンAW)が決勝で残り3秒から逆転のタックルを決めて優勝。男子フリースタイル70キロ級で小島豪臣(31=神奈川・中原養護学校教)は銅メダル、57キロ級で森下史崇(22=ぼてぢゅう&ボムス)は5位だった。

 青と赤、レスリングではそれぞれのシングレット(試合着)を着た2人が対戦する。しかし、登坂の1回戦で不思議なことが起きた。登坂は青。相手も青。間違えていたのは登坂の方だった。

 「2回戦以降がずっと青だったのと緊張していたので違う色を着てしまった」。マットの前まで行き慌てて着替えて再登場。そんなドタバタ劇に「きょうはちょっと違うな」と感じたまま、1回戦で韓国選手に6―2とポイントを奪われた。準決勝でも格下のインド選手に6―4と辛勝。本来の動きではなかった。

 体の異変もあった。世界選手権から約2週間しかなく、52キロまで戻った体重を急激に落とさざるを得なかった。その影響で前夜は食事を済ませた後に背中にじんましんが出て、手足の感覚も普段とは違った。ようやく本来の動きを見せたのは孫亜楠との決勝。「思い切ってやれば力が出る。苦しい戦いが続いた中で開き直れた」と2分すぎに相手のタックルをかわし、カウンターのタックルを決めた。その後も付け入る隙を与えなかった。

 世界1位のスタドニク(アゼルバイジャン)もいた世界選手権に勝ち、階級変更してきた孫亜楠のいる今大会も制した。「世界選手権の時は内容的にも良かったけど今回は反省点ばかり。しっかり直したい」。ハプニングがあっても負けない強さと向上心も、真の女王の称号にふさわしいものだった。

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2014年9月28日のニュース