錦織の元コーチ米沢徹氏「凄いの一言」“生きる道”リターン力向上で開花

[ 2014年9月8日 11:46 ]

米沢徹氏

テニス全米オープン第13日男子シングルス準決勝  錦織圭3―1ノバク・ジョコビッチ

(9月6日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 米国留学当初に錦織のコーチを務めた米沢徹氏(55)は試合をテレビ観戦し「凄いの一言」とうなった。ジョコビッチの今季セカンドサーブのポイント獲得率は57%でツアー4位。しかし、この日は37%にとどまった。セットごとに見ると25%、73%、36%、11%で、第2セット以外は錦織がリターン力で極めて低い数字に抑え込んだ。

 「反射神経も動体視力もいい選手じゃなかった」という錦織のリターン力向上に誰より取り組んだのが米沢氏だった。「ジャンプしてバックの高いところを左右にコントロールできる選手は世界にもいない。それができれば世界にいける」と“生きる道”を説き、アカデミーでは1日100本のリターン練習を課した。この日マッチポイントをつかんだリターンエースも跳ねるセカンドサーブをバックハンドで叩いたもの。米沢氏の言葉そのものだった。

 米沢氏は小柄な錦織に対して3人前の食事を取ることもノルマにしていたという。「普通は嫌なものは食べられないけど、そういう指示も彼だけが守っていた。他の選手にはない能力、気持ち、モチベーションを持っていた」。米沢氏が見つめた才能は米国の地で大きく花開いた。

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2014年9月8日のニュース