チリッチ“新世代王者”へ意欲「2人にとって特別なものになる」

[ 2014年9月8日 08:32 ]

フェデラーを破ったチリッチ

テニス全米オープン最終日男子シングルス決勝  錦織圭―マリン・チリッチ

(9月8日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 決勝の組み合わせは「ビッグ4」が不在となり、新時代の到来を予感させるものとなった。錦織に敗れたジョコビッチ、チリッチに敗れたフェデラー、ケガで欠場した昨年王者ナダル(スペイン)、準々決勝で消えたA・マリー(英国)がいずれも4大大会の決勝に進めなかったのは、05年全豪オープン以来実に39大会ぶりだ。

 今年の全豪オープンでワウリンカ(スイス)が優勝し、10~13年の4年にわたった「ビッグ4」による4大大会タイトル寡占状態を打ち破った。ウィンブルドンではラオニッチ(カナダ)やディミトロフ(ブルガリア)といった20代前半の若手がベスト4入り。新世代の台頭が注目され、錦織も「彼らがウィンブルドンでベスト4に残ったのは驚いた」と同世代の活躍に刺激を受けていた。

 チリッチも「ワウリンカがドアを開けて、変化の年が始まった。実力差が縮まって今は多くの選手にチャンスがある」と虎視眈々(たんたん)とチャンスをうかがっていた。この日のフェデラー戦では最速212キロの高速サーブでエースを13本も奪い、過去5戦全敗だった相手にストレート勝ちの番狂わせ。「最初のポイントから最後まで人生最高のテニスができた」と振り返った。

 決勝はどちらが勝っても4大大会初優勝。「(錦織との決勝は)2人にとって特別なものになる。どちらにもグランドスラムで勝つチャンスがあるということ。歴史の一部になれるということだ」と意義を語った。対戦成績で5勝2敗とリードしている錦織は「チリッチはサーブがよく、最近は展開の早いプレーに変えてきている」と警戒する。ポスト・ビッグ4の時代。その最初の王者として名を刻むのは錦織か、チリッチか。

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