遼“酷暑トレ”で全米プロへ準備万端「炎天下の練習も必要」
メジャー最終戦の全米プロ選手権は7日、米ケンタッキー州ルイビルのバルハラGC(7458ヤード、パー71)で開幕する。6年連続出場の石川遼(22=CASIO)は4日、気温32度、湿度70%、風速1メートルの炎天下にも負けず、8時間に及ぶ猛練習を敢行。今大会に向けて微調整したロフトを1度寝かせた10・8度の新1Wを手に優勝争いを見据えた。
ギャラリーも日陰を探して観戦するほどの猛暑。石川は“かち割り”を持参していたわけではない。それでも、涼しい顔でほぼぶっ通しで8時間の猛練習を行った。午前10時にコースに入り、3時間ほど練習をすると、暑さもピークの午後1時すぎから9ホールをプレー。その後15分の休憩を挟み再び練習場へ向かうと、1Wを中心に2時間打ち込んだ。コースを引き揚げたのは午後6時だった。
スタミナアップは日本での練習の成果だ。「炎天下で、死にそうになりながらやる練習も必要だと思う」と話し、全英オープンから帰国後は太陽の照り付ける埼玉の自宅近くで特訓。「近所の消防署から外出を控えるように注意が出た時も、1Wを連続で100球打っていた」と明かした。だから、「体力がついたんだと思う」と胸を張った。
全英オープン前後の国内合宿が今季最後のメジャーへ向けて実を結びそうだ。「朝から夜までずっと練習していた」という6月末から行った3週間の北海道合宿。睡眠時間を1日5時間に削るほど追い込んで、疲労がたまった。当時は飛距離も落ちて6Iで188ヤード。だが、今はペースダウンして9時間の睡眠で体調も回復。今は6Iで203ヤード打てるまでに飛距離が伸びた。
しかも、自身のパワーアップだけでなく、距離の長い今大会への対策としてギアも調整した。全英オープンで使っていた1Wはロフト角9・8度で風に負けない強い弾道が売り。ただ、スピン量が少なく追い風では球がドロップする傾向にあった。そのため、今回はロフトを1度増やして10・8度にし、インパクト後の出だしで球を上げやすくした。「なかなか安定していなかった1Wの感触が良くなっている」と手応えばっちりだ。
渡米に合わせて長かったロン毛風のヘアスタイルも4~5センチ短く切って爽やか系となった。予選を通過すれば週末には今季初のサンバイザーで戦う予定だ。過去5年で昨年の29位が最高だが目標は高く「優勝争いを目指してやりたい」と宣言。例年、酷暑の下で行われるメジャー最終戦でスコアアップを誓った。
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