TOKYOヒロイン候補だ!ヘンプヒル恵 七種ジュニア日本新連覇

[ 2014年8月3日 05:30 ]

七種競技でジュニア日本新記録をマークしたヘンプヒル恵

 TOKYOのヒロイン候補だ。全国高校総合体育大会(インターハイ)第2日は山梨中銀スタジアムでの陸上などが行われ、七種競技で米国人の父を持つヘンプヒル恵(めぐ、18=京都文教)がジュニア日本新記録となる5519点をマークして連覇を達成した。七種競技の6種目目のやり投げと最終種目800メートルの間に、1600メートルリレーに出場する鉄人ぶりを示したアイアンガールが、20年東京五輪へ飛躍する。バドミントンの女子団体では世界ジュニア選手権シングルス2連覇の山口茜を擁する勝山(福井)などが準々決勝に進んだ。

 死力を尽くしたレースの先に、新たな世界が開けていた。七種競技のラスト種目800メートルでフィニッシュすると、先に競技を終えたライバルたちがヘンプヒルに駆け寄ってくる。800メートルを2分17秒87の自己ベストで締め、5519点の日本ジュニア新記録をマーク。輪の中心でさわやかな笑みを浮かべた18歳は、「5500点を目標にしていた。記録を塗り替えられて嬉しい」と青春の汗をぬぐった。
 
 驚異の鉄人ぶりだ。6種目目のやり投げを終えた30分後、慌ただしく1600メートルリレーに出場して、チームの予選1位通過に貢献。その2時間半後には最終種目800メートルのスタートラインについていた。「しんどいですけど、練習の方がしんどいので、自信はありました」。3日も100メートル障害、1600メートルリレーに出場する。小学校時代はハンドボールに取り組み、コートを疾走し続けた。「ずーっと走っていたんで、無駄な体力がついちゃったのかな」といたずらっぽく笑った。

 米国人の父・スコットさんと日本人の母・千恵さんとの間に生まれた。「いつも頑張りすぎるんで、ハラハラドキドキの連続ですよ」と言うスコットさんは、「恵」と書いて「めぐ」と呼ぶ愛娘の名前に特別な思いを込めている。海外でも日本でも親しんでもらえるように――。それは、アルファベット表記にも表れている。パスポートのつづりは「MEGU」ではなく「MEG」。涼しげな眼差しの先に、世界の大舞台も見えてきた。
 
 まずは15年世界選手権(中国・北京)の出場を目指し、16年リオデジャネイロ五輪、20年東京五輪を狙う。日本勢の七種競技での五輪出場は、04年アテネ五輪の中田有紀だけ。世界との差は大きいが、「他の選手にできないことをしてこその自分」と気合を入れる。走って、跳んで、そして投げて…。18歳のアイアンガールは、オンリーワンかつナンバーワンへの道を突き進む。

 ◆ヘンプヒル 恵(へんぷひる・めぐ)1996年(平8)5月23日、京都府京田辺市出身の18歳。京都文教中で本格的に陸上を始め、3年時に四種競技で全国制覇。昨年の高校総体は七種競技で優勝、100メートル障害は決勝でフライング失格。1メートル67、57キロ。

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