コンプトン5打差の2位に浮上!2度の心臓移植手術経験…

[ 2014年6月15日 16:15 ]

5打差の2位に浮上したコンプトン(AP)

 重度の心筋症で12歳と29歳時に心臓の移植手術を受けているエリック・コンプトン(34=米国)が、ゴルフの全米オープン3日目にこの日のベストスコア67をマーク。首位カイマーに5打差の2位に浮上してきた。

 6年前は練習から帰る歳に体調が崩れ、自分で車を運転してそのまま病院へ直行。医師からは「あと20分しか持たない」と言われ、ノルウェー人の母イーライさんに「ママ、うまくいかないこともあるんだ。いい人生だった。さようなら」と電話で別れを告げるほどだった。しかし12時間の手術に耐えてカムバック。その後、マイナーツアーで実績を残し、12年にPGAのツアーカードを取得していた。

 そんな苦難の時代をギャラリーも熟知しており、18番グリーンにコンプトンがやってくるとスタンディング・オベーション。「救急車は呼ばないで」とコンプトンはジョークで笑わせようとしたが、すぐに嵐のような拍手がわき起こった。

 マイナーツアーの優勝はあるものの3季目を迎えたPGAでは未勝利で今季の賞金ランキングは76位。移植手術を経験した選手による初のツアー制覇をメジャーで達成するという歴史的な快挙を視界にとらえているが「いいゴルフをすることしか考えていない」と本人はいたって冷静だ。息子の活躍をコースで見守っていた母イーライさんは「彼はいつも一生懸命に努力してきたわ。メジャーでも勝てると私は思っていますよ」ときっぱり。なるか3つ目の心臓を持つ男によるメジャー制覇?全米オープン史上に残る感動のドラマが最終日に待っているかもしれない。

 ▼R・ファウラー すでに彼(コンプトン)は僕らと同等に戦える素晴らしい選手だ。結果がすべてを証明している。(コンプトンと並んで2位で最終日へ)

 ◆エリック・コンプトン 1979年11月11日、フロリダ州出身の34歳。9歳で鬱血(うっけつ)性心筋症を発症。ジョージア大入学時、2年生に日本の今田竜二(37)がいた。下部ツアーでは優勝7回。今年3月のホンダクラシックで初めてトップ10(4位)に入った。1メートル73、68キロ。

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