松山 初の“ラフなし”セッティング攻略へ“コロコロ作戦”

[ 2014年6月12日 05:30 ]

練習ラウンドする松山

 今季のメジャー第2戦、全米オープン(12日開幕、パインハースト・リゾート)に出場する松山英樹(22=LEXUS)は10日、アウトの9ホールを回って調整した。グリーン周りではSWのほかにパター、3Uなどでランニングアプローチの練習。今年は大会史上初の“ラフなし”のセッティングで、刈り込まれたグリーン周りから寄せるために、SWにこだわらない“七色アプローチ”で対応する。

 あっちからコロコロ、こっちからコロコロ…。松山は何度もグリーン周りからボールを転がすアプローチを試した。打つ地点の起伏の大きさによってクラブは異なる。パターをはじめ、ショートアイアン、2U。アウト9ホールを回った大会2日前の練習は、グリーン周りに重点を置いた。

 「このコースはグリーン周りが凄く大事。その練習でした。どれくらい自分が対応できるかだと思う。一つでもいいものを出せれば」

 入念に対策を立てなければいけないほど、グリーンは厄介な形状をしている。真ん中が高く、端に行くほど低くなる“まんじゅう形”。ショットが狂えば、グリーンからこぼれ落ちる可能性が高い。さらに、グリーン周りは全て極端に短く刈り込まれている上に起伏に富んでおり、ボールが止まる地点は、左足下がりになるケースが多い。その状況からウエッジだけで寄せるのは困難で、転がしの技術が要求される。

 2週間前にプレーオフで争い、この日、同組だったケビン・ナはウッドでのランニングアプローチを何度も試していた。他の選手も同様に、ウッド、パターなどのテストを繰り返した。使うクラブは臨機応変。状況を見極めた上で、ひらめきも重要な要素になるかと報道陣に聞かれた松山は「その通りだと思います」と話した。

 優勝スコアがイーブンパーになるよう、厳しくセッティングされる全米オープンは、深いラフが名物だった。今年は史上初めて“ラフなし”で行われるが、ショットを曲げれば相応のペナルティーを覚悟しなければならない。新時代の難セッティングを、松山が七色のアプローチで乗り切る。

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2014年6月12日のニュース