野々村 念願の代表切符!緊張こらえ「やった!という気持ち」

[ 2014年6月9日 05:30 ]

男子個人総合 2位になった野々村笙吾のあん馬

体操NHK杯最終日

(6月8日 東京・国立代々木競技場)
 男子の個人総合が行われ、野々村笙吾(20=順大)が念願の代表切符をつかんだ。5月の全日本選手権の得点の半分を持ち点として争い、178.725点の2位。3位となった同級生の加藤凌平(20=順大)とともに10月の世界選手権(中国・南寧)の代表に選ばれた。すでに代表に決まっていた内村航平(25=コナミ)が181.050点で貫禄の大会6連覇。代表残り3人は全日本種目別選手権(7月5~6日、千葉ポートアリーナ)で決まる。

 同じ組で演技した加藤には野々村の緊張感がひしひしと伝わってきた。「笙吾がガチガチでどうなるかと思った」。そんな同級生の心配のまなざしを浴びながら、野々村も普段とは違う自分を自覚していた。

 「自分の演技をするより代表にならなきゃいけない気持ちが強かった」。得意のつり輪でも倒立でグラつくなど満足な演技ではなかった。それでも「何とかこらえられた」と代表切符を獲得して「やった!という気持ち」と喜びをかみしめた。

 11年世界選手権は補欠止まりで、12年ロンドン五輪も落選。市船橋高時代から次代のエースと期待される存在だったが、同い年の加藤に先を越されてきた。昨年もこの大会で加藤に敗れ、世界選手権の代表入りを逃した。だからこそ今回は首位の内村を追うよりも代表枠の3位死守を優先。Dスコア(演技価値点)を抑えた確実な演技構成で結果につなげた。

水鳥寿思男子強化本部長も「代表に決まったのは今後の日本の柱になる3人」と期待する存在。04年アテネ五輪から途絶えている団体金メダルに向け、野々村の代表入りで日本に“三本の矢”がそろった。

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