錦織 初の初戦敗退 「一歩目痛い」左足かばいサーブ不調

[ 2014年5月27日 05:30 ]

今大会初の初戦敗退を喫し、天を仰ぐ錦織

テニス全仏オープン第2日

(5月26日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルスで第9シードの錦織圭(24=日清食品)は、世界59位のマルティン・クリザン(24=スロバキア)に6―7、1―6、2―6のストレートで敗れた。今月のマドリード・オープンで決勝を途中棄権して以来の実戦復帰だったが、精彩を欠いた動きで4度目の全仏で初めての初戦敗退を喫した。負傷の回復具合によっては、4大大会第3戦のウィンブルドン選手権(6月23日開幕)にも影響が出てきそうだ。

 パリの冷たい雨に打たれ、錦織は静かに1番コートを後にした。わずか2週間前にマドリードの赤土の上でナダルを圧倒していた日本のエース。しかし、その躍動感は見る影もなかった。

 「痛みは我慢しながらできたけど内容がついてこなかった。練習不足。この状態では勝てない相手だった」。股関節痛に端を発した左ふくらはぎの痛みは欠場も考えたほど。肉離れに近い状態からは脱したが、試合形式の練習や全力でのサーブ、ダッシュもできないまま迎えた初戦だった。

 第1セットの第1ゲームは、いきなりダブルフォールト。5―3でセット奪取に王手をかけていた第9ゲームも2本のダブルフォールトをきっかけに落とすなど、試合を通じて10本ものダブルフォールトを出した。「サーブと蹴り出す時の一歩目で痛みが強くて、一歩遅れることがほとんどだった」。左足をかばってサーブは不調。足が動かないから得意のリターンも不発だった。「ボールの感覚がないまま終わってしまった」。翼をもがれて勝てるほど元世界ランク26位のクリザンは簡単な相手でもなかった。

 今季のクレーシーズンはこれで幕を閉じた。バルセロナ・オープン優勝、世界ランクトップ10入りと鮮烈な活躍を見せた一方で、ケガの不安も背負い込んだ。シーズン後半戦に向けても、まずは体と向き合うことが最優先。当初は来月9日開幕のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)を前哨戦としてウィンブルドンに向かうはずだった。しかし錦織は「(試合が終わって)多少痛みが出てきた。時間がたたないと回復のメドが立たないのでまだ分からない」と答えた。約1カ月後に聖地でどこまでのテニスができるのか。それはまだ錦織本人にも分からない。

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