国立競技場の改修案を発表 建築家の伊東豊雄さん コスト抑制可能

[ 2014年5月12日 20:36 ]

 2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の計画について、建築家の伊東豊雄さんが12日、東京都内で記者会見し、競技場を新築するのではなく、現競技場を改修する案を発表した。現計画以外の可能性を探り、議論を活発化させるのが狙い。伊東さんの案では、現計画で見込まれている総工費1692億円を大幅に抑えられる可能性があるという。

 この案は、現在のメーンスタンドを撤去し、そこに2層または3層に席を設けることで、現在の約5万4千人収容から8万人収容に増やす。「競技場本体の建設費は、ラフに言って半分くらいになるのではないか」と述べた。

 伊東さんは、コスト面などから修正を迫られている現計画について「いろいろな問題を解決するのは難しい。現状では今の競技場を改修するのが一番いい」と話した。

 記者会見は、同日開催のシンポジウムに先だって行われ、人類学者の中沢新一さんらも同席。中沢さんは「今回の問題は一競技場を超え、日本人が未来に何を残すかが問われている」と語った。

 新競技場計画をめぐっては、建築家の槙文彦さんら約100人のほか、日本建築士会連合会などの建築関連団体が昨年、規模縮小を要望。基本設計は当初は3月末までに完了予定だったが、遅れている。一方、現競技場は7月に解体が始まる。

続きを表示

2014年5月12日のニュース