塩野 代表デビュー戦で快勝!日本男子1位突破決めた

[ 2014年5月2日 05:30 ]

<日本・ハンガリー>フォアハンドでドライブを放つ塩野

JA全農世界卓球団体戦第4日 男子1次リーグC組 日本3―2ハンガリー

(5月1日 国立代々木競技場ほか)
 カットマンが主役に躍り出た。男子1次リーグC組の日本は最終戦でハンガリーを3―2で下し、通算成績を4勝1敗として1位突破を決めた。日本代表初選出の塩野真人(28=東京アート)が3―0のストレート勝ちで勝利に貢献。2日の準々決勝でポーランド―ポルトガル戦の勝者と対戦する。B組の女子はオーストラリアを3―0で下し5戦全勝。3日の準々決勝で台湾―オランダ戦の勝者とメダルを懸けて戦う。

 天井に向かって吠えた。「結果を出してみんなに認めてもらいたいと思っていた」。カットマンはボールを拾いまくるプレースタイルだが、塩野は要所で攻撃に切り替え、強烈なスマッシュを相手コートに叩き込んだ。「最初は自分でも分かるくらい(緊張で)硬かった。サーブの時に手が震えていた」。初めて背負う日の丸に重圧を押しのけ、ストレート勝ちで鮮烈な世界デビューだ。

 大会2日目のルーマニア戦に出場するはずだった。しかし、ギリシャとの初戦に敗れたことで作戦が変更され、出番はお預け。「うずうずしていました」。待ちに待った舞台。コースを読まれにくいように立ち位置を台の中央に変えた新サーブも決まり、堂々の1勝を挙げた。

 脚光を浴びたのは昨年の荻村杯ジャパン・オープン。日本代表ではなく、自費参加で予選から出場して初優勝した。チェコ・オープンでも優勝し、世界ランクは184位から26位まで上昇。「自分では遅咲きとは思っていない。今は若い子が多いので、そう見られてしまう」と苦笑いする。

 悔しさが塩野の成長を支えた。昨年の全日本選手権での敗戦から「心が変わって体も変わった」と禁酒で減量。63キロから58キロになり、体脂肪率も初めて1桁台へ。「1年3カ月くらい取り組んできて、1勝できて次につながると思う」と胸を張った。

 4月30日に誕生日を迎えた遅咲きの28歳。当日はチームメートから「ハッピーバースデー」を合唱され、エース水谷から「(当日の)ポルトガル戦の勝利がプレゼントだよ」と言われたという。準々決勝ではポーランド―ポルトガル戦の勝者と対戦。順当なら準決勝で世界ランク2位ドイツとの対戦になるが、決勝まで最強中国とは当たらない。塩野の1勝がメダルへの道を切り開いた。

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