愛代役とは呼ばせない!優香で台湾斬り!日本女子1位通過

[ 2014年5月1日 05:30 ]

<日本・台湾>カットでリターンする石垣

JA全農世界卓球団体戦 女子1次リーグB組 日本3―0台湾

(4月30日 国立代々木第1体育館など)
 もう代役とは呼ばせない。女子1次リーグB組で世界ランク3位の日本は、同7位の台湾に3―0で完勝して4連勝。1日のオーストラリア戦を棄権した場合を除き、B組1位通過での準々決勝進出が決まった。左足故障の福原愛(25=ANA)に代わって代表に入った石垣優香(24=日本生命)が、黄怡樺(29)に3―0で圧勝し、チームに勢いをつけた。男子もC組でフランス、ポルトガルに勝って3勝1敗として決勝トーナメント進出を決めた。

 相手のミスを待つだけじゃない。1番手で登場したカット主戦型の石垣が、何度も強打を叩き込んだ。世界選手権14大会連続出場の“台湾のレジェンド”を一蹴。石垣のストレート勝ちで勢いに乗ったジャパンが、1次リーグ最大のライバルを撃破して準々決勝進出だ。殊勲の24歳は、「この試合が一番、重要と思っていた。思い切って攻めていこうと思った」と笑みを浮かべた。

 左足故障で今大会の出場を断念した福原から、前夜に1通のメールが届いた。「厳しい戦いになると思うけど、いい意味で楽しんで」――。エースの代わりに立つ、自国開催の大舞台。「自分が不安、緊張しているのを会場では絶対見せない。態度がでかいくらいでいこうと思った」。意識して胸を張った。相手に得点されても、下は向かない。小学4年の時、「走り方がカットの選手っぽい」という不思議な理由でカット主戦型に転じた24歳が躍動した。

 石垣が所属する日本生命でも指揮を執る日本女子の村上監督は愛弟子の活躍を称えた。「福原の代わりに石垣を選んだのは、台湾戦を想定していたから。ここで負けていたら、値打ちがなかったからね」。もちろん石垣も指揮官の思いは理解していた。「台湾とは昔から分がいいし絶対、私が出るって分かっていました」。自らに課せられた役割を果たし、代役以上の存在感を見せつけた。

 1日のオーストラリア戦を待たずに1次リーグ1位通過を決め、世界最強の中国とは決勝まで当たらないブロックに入る。2大会ぶりのメダル奪回はもちろん、83年大会以来、31年ぶりの決勝進出へ。「イラストを描くのが趣味なんですよね。(前日本女子監督の)近藤先生の似顔絵とか似てた」と笑う石垣が描き上げたのは、ファイナルへの青写真だった。

 ◆石垣 優香(いしがき・ゆか)1989年(平元)7月22日、愛知県名古屋市出身の24歳。小学3年で卓球を始め、同4年からカット主戦型に。淑徳大から日本生命。12年ドルトムント世界選手権団体戦では1試合に出場。右利き。1メートル60、55キロ。

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2014年5月1日のニュース