日本女子圧勝発進 佳純は貫禄ストレートでエースの自覚

[ 2014年4月29日 05:30 ]

<日本・ベラルーシ>勝利した瞬間、石川はチームメートを背にガッツポーズ

JA全農世界卓球団体戦

(4月28日 国立代々木第1体育館など)
 開幕して1次リーグが行われ、女子B組で世界ランク3位の日本は同18位のベラルーシに3―0で快勝した。石川佳純(21=全農)がストレート勝ちでエースの責任を果たし、平野早矢香(29=ミキハウス)と田代早紀(23=日本生命)も勝利。チーム力で最高のスタートを切った。

 石川がエースの貫禄を示した。「凄く緊張したが、思っていたより良いスタートダッシュが切れた。何よりも勝てて良かった」と頬を緩めた。2番手で登場すると、格下のプリワロワ相手にフォアハンドで積極的に攻め「相手の様子を見るのではなくて1球目から自分のプレーをすることを心掛けた」と納得の表情。隙のない強さを示した。

 直前に行われた男子の敗戦に「何が起こるか分からない」と気を引き締めた。2―0の第3ゲームは7―10とリードを許したが「1本ずつ返していこう」と切り替えて、13―11と逆転勝利。試合開始時間が予定から約2時間も遅くなった中で集中力を切らさなかった。

 エースの重圧も押しのけた。ともにチームを引っ張ってきた福原が左足第5中足骨の疲労骨折で不在の中、村上監督からは2試合を戦う可能性がある1カードで2勝を厳命された。「相手は思い切ってやってくるので、それ以上に強い気持ちでやる訓練をしてきた。それが生きた」と石川。直前はプロツアーに参戦せず、日本で練習を積んだ。男子合宿に参加し、“地の利”を生かして最後まで万全の調整を行った。「いつも団体戦で私が負けちゃったりしていた。今までとは違う自分で戦いたいし、取りこぼしはできない」。強い気持ちを持つ絶対エースの“ニュー佳純”として挑み、結果を出した。

 仲間の奮闘もあった。相手エースのカット選手封じとして、1番手に起用された平野が順当に勝利。初出場の田代も第1ゲームを落としながらも逆転勝ちを収めた。3試合先取によるストレート勝ちは1次リーグ1位通過に向けても好材料。石川は「60点、いや50点。初戦だったので85点!!今までの中でも良い初戦だった」と自己採点した。残りの15点は「緊張していたし、まだまだできる」と向上心をぎらつかせた。東京で43年ぶりの世界一を目指す日本が、最高の白星発進を飾った。

 ▽卓球世界選手権 国際卓球連盟が主催する最も権威がある国際大会。第1回大会は1926年にロンドンで開催され、2003年からは個人戦と団体戦を毎年交互に開催。偶数年にあたる今回の東京大会は団体戦、奇数年には個人戦が行われる。団体戦の男女1部は24の国と地域が4組に分かれて1回戦総当たりの1次リーグを行い、3選手がシングルスの5試合で争う。1、2番手で出場した選手は最大2試合を行い、先に3勝したチームが勝利。各組上位3チームの計12チームが決勝トーナメントに進出。各組1位はシードとなり、準々決勝からの出場となる。

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