角界にアメフット選手入門 日本人では異例

[ 2014年4月26日 05:30 ]

東関部屋入りした関東学院大アメリカンフットボール部出身の札野

 関東学院大アメリカンフットボール部出身の札野大海(ひろみ、22)が元横綱でプロレスラーの曙の所属していた東関部屋に入門した。元アメリカンフットボール選手の角界入りは高見山、曙、武蔵丸(現武蔵川親方)ら外国出身者にはいるが、日本人では異例。アメフットで鍛えたパワーと肉体で角界の頂点を目指す。大相撲夏場所(5月11日初日、両国国技館)の新弟子検査は同1日に相撲診療所で行われる。

 1メートル76、143キロの恵まれた体格の札野が大きな野望を持って東関部屋の門を叩いた。「4歳の頃、テレビで見ていた大相撲で曙や武蔵丸のでかくて強かったことに興味があった。アメフットで鍛えた体でどこまでできるかやってみたくなった」と角界入りした理由を語った。

 大学卒業を待って22日に入門した。1部リーグの関東学院大では主にオフェンスラインを務めた。大学4年時のプロフィルでは体重は100キロだったが、今は43キロも増量。肉体はすでに相撲仕様になっている。アメリカンフットボールでは体格とともに、強さと瞬発力が求められる。その特性を見て、東関親方(元幕内・潮丸)は「出足はいい。体は自分に似ている。押し相撲で中に入るような取り口がいいのでは」と期待を寄せた。

 札野は小学4年で水泳を始め、中学時代は既に1メートル75、98キロと体格に恵まれていた。「大きな体で何か運動をしたかった」と神奈川の白山高に入学後、アメリカンフットボールを始めた。オフェンスラインだけでなくディフェンスラインも務め、2年時には神奈川県選抜にも選ばれた。転機は関東学院大3年時に右膝前十字じん帯を断裂した時だった。入院先で東関部屋関係者と知り合い2月に角界入りを決心した。

 「相撲とアメフットでは全然違う。でもアメフット出身の高見山さんや武蔵川親方がいるので自分も頑張りたい」と連日まわしをつけて押す稽古をこなす。異色の挑戦。札野は「アメフットは米国の国技。相撲は日本の国技なので少しずつ前進していけるようにしたい」と決意を示した。

 ◆札野 大海(ふだの・ひろみ)1991年(平3)8月24日、神奈川県川崎市生まれの22歳。白山高1年からアメリカンフットボール部に所属。関東学生リーグ1部の関東学院大に進学した。オフェンスラインやディフェンスラインとして活躍。好きなチームはマイアミ・ドルフィンズ。好きな選手はジェイク・ロング。家族は父・宗夫さん(57=運送業)。1メートル76、143キロ。血液型O。

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