山部 2年ぶり日本一で世界選手権代表、田知本を裏返し!

[ 2014年4月21日 05:30 ]

全日本女子柔道選手権決勝で田知本愛(左)に一本勝ちした山部佳苗

柔道全日本女子選手権

(4月20日 横浜文化体育館)
 山部佳苗(23=ミキハウス)が2年ぶり2度目の優勝を飾り、世界選手権代表の座を勝ち取った。準決勝を鮮やかな内股透かしで勝ち上がると、田知本愛(25=ALSOK)との決勝でも内股透かしから払い腰を決め、3分56秒で一本勝ち。前回の優勝以降は不振に陥ったが、元世界無差別級女王の薪谷翠コーチ(33)との二人三脚で復活を遂げた。大会後には全日本柔道連盟の強化委員会が行われ、8月の世界選手権(ロシア)の代表追加3選手が発表された。

 畳の上にズドン!と大きな音が響いた。体重無差別で行われた大会の決勝は、大方の予想通りの最重量級頂上決戦。指導の数で劣勢に立っていた山部だが「落ち着いてやろうと思っていた。体が勝手に動いた」と相手の動きに素早く反応。内股を透かし、払い腰を合わせて田知本を裏返した。

 「昨年は悔しい思いをした一年間だったのでうれしい」。日本一を決める今大会を初制覇したのは2年前。「実力がないうちに勝ってしまった」と重圧に苦しみ、結果も出ずに不振に陥った。食事も喉を通らなくなり体重は10キロ近く落ちたという。しかし、所属先の薪谷翠コーチの指導で心身ともに立ち直った。薪谷コーチは食欲のない山部を気遣って一緒に食事をし、時には手料理を振る舞った。練習相手としても常に厳しい声を掛けられ、2月には苦手としてきた国際大会で2連勝。自信も芽生えて2週間前の選抜体重別に続いて決勝で田知本を連破。「この1年間で欲が出てきた」と女王は日本一の“次”を見据えた。

 ≪松本ら追加代表≫今大会の結果を受けて78キロ超級は山部と田知本の2人に決定。57キロ級の松本薫(26=フォーリーフジャパン)も追加選出され、女子代表全9選手が決まった。

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