萩野公介 まず1冠 400個人メドレー世界新狙い前半から勝負

[ 2014年4月11日 05:30 ]

<日本選手権 男子400メートル個人メドレー決勝>背泳ぎで瀬戸(手前)を引き離す萩野

競泳 日本選手権第1日

(4月10日 東京辰巳国際水泳場)
 史上初の6冠を狙う萩野公介(19=東洋大)が男子400メートル個人メドレーを4分7秒88で制し、3連覇を達成した。最後の自由形で失速して日本記録更新は逃したが、まずは1冠を手にした。昨夏の世界選手権で金メダルの瀬戸大也(19=JSS毛呂山)は4分12秒30で2位。ともに仁川(インチョン)アジア大会などの派遣標準記録を突破、代表入りを確実とした。

 まずは1冠。「最後の自由形が思いのほか、しんどかった。ただ(200メートルを)1分56秒で回れたのは夏につながった」。萩野はバタフライからライバル瀬戸を抑え、世界記録を上回るハイペースで突っ込んだ。後半の平泳ぎから少しずつペースが落ち、ラストは伸びを欠いて自己ベストには0秒27届かなかった。目標は4分4、5秒台だっただけに複雑な表情を浮かべつつも「これが今の実力」と現実を受け止めた。

 ただ、悲観する内容ではない。16年リオデジャネイロ五輪でフェルプス(米国)が持つ世界記録(4分3秒84)更新へ、レースプランを一新。前半から勝負するために、今冬はバタフライの強化に着手した。平井コーチは「本人は苦手意識を持っているが、むしろバタフライは良い」と評価しており、2度の高地トレーニングでも泳ぎ込んだ。その結果、バタフライのラップタイムは日本記録を更新した昨年の日本選手権の56秒32から0秒87伸びて55秒45。練習の成果をきっちり出した。

 課題は最後の粘り。「つらすぎて自分が何をしているか分からなくなった。水と一緒になる感じ」と苦しさを表現したが、世界記録との距離は確実に縮まっている。「足りないのは平泳ぎ後半からの粘り。でもあと少しの歯車がかみ合えば、タイムはいきなり出ると思う」と萩野は手応えを口にする。レース後には北島から「ナイスチャレンジ」と声を掛けられ、自然と笑顔がこぼれた。

 11日は200メートル自由形と100メートル背泳ぎに出場。「昨年は最後(200メートル背泳ぎ)にこけた。気持ちで負けないように優勝を勝ち取るつもりでいきたい」。昨年の5冠から史上初の6冠へ、マルチスイマーが進化と勝利を求める。

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