白鵬 千両役者1000回出場飾った単独9位823勝

[ 2014年3月19日 05:30 ]

琴欧洲(右)を上手投げで破った白鵬

大相撲春場所十日目

(3月18日 ボディメーカーコロシアム)
 29度目の優勝を狙う横綱・白鵬が関脇・琴欧洲を左上手投げで退けて全勝を守り、通算1000回目の出場を飾った。通算勝率8割を超える最強横綱を追ったドキュメンタリー全3話(TBS系列)が母国モンゴルでも放送されることが決定。土俵内外で大活躍する白鵬が日馬富士とともに“荒れない春場所”を演出している。優勝争いは勝ちっ放しの両横綱を1敗で鶴竜、2敗で稀勢の里と豪栄道が追う展開となった。

 入門当時体重60キロ台だった16歳の少年の面影はもうない。3勝4敗と負け越した序ノ口デビューから土俵に上がった回数はこの日で1000回目。1メートル92、158キロという堂々たる体を誇る白鵬は琴欧洲を相手に得意の右四つの形をつくった瞬間に左からの上手投げを打ち、たった2秒2で勝負を決めた。初日から10連勝で自身の持つ連続2桁記録を43場所に更新すると同時に、単独9位の通算823勝を達成。「1000回ですか。自分の場合は関取になる前に勝ったり負けたりがあった。関取に上がってから体も二回り三回り大きくなった」。相撲にささげた丸13年で心も技も体も円熟の領域に入った29歳は、節目の日を迎えても最強のままだった。
 
 「地位が上がった分、返さないといけない。それが横綱の宿命」と常々語る。それは土俵内外で恩返しを果たすという意味であり、その思いは日本だけでなく母国にも伝わりつつある。被災地復興と相撲普及、記録への挑戦、そして母国への思い…。TBS系列で過去3度にわたって放送された自身のドキュメンタリーが、モンゴルの大手テレビ局「MN25」で全て流されることが決定した。昨年大みそかに日本で放送された第3弾「日本人の知らない白鵬」は既に故郷の旧正月だった先月2日に流されて高視聴率をマーク。19日には第1弾「白鵬、日本の横綱として」、25日には第2弾「白鵬と大鵬 最後の会話」が流される。

 土俵内では29度目の優勝に向け、着実に白星を積み重ねる日本の横綱。「1500回出場を目指します」。史上1位の大鵬の優勝32回を見据える“世界の白鵬”にとって、どんな記録も通過点に過ぎない。

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2014年3月19日のニュース