羽生 カナダから日本の方角を向き…2分間黙とう 

[ 2014年3月12日 07:47 ]

羽生結弦

 ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子初の金メダルに輝いた仙台市出身の羽生結弦(19)=ANA=が11日、練習拠点を置くカナダのトロントで東日本大震災から3年を迎えた。関係者によると、震災が発生した日本時間午後2時46分に合わせて現地の深夜午前1時46分から2分間、日本の方角を向いて黙とうをささげたという。

 羽生は3年前、仙台市内のスケート場で練習中に被災した。激しい揺れに襲われ、天井や壁が音を立ててきしむ中、一緒に滑っていた仲間にしがみついてリンクの外に逃げ出した。選手にとって大切なスケート靴のエッジ(刃)は、ぼろぼろになった。自宅は全壊と判定され、4日間の避難所生活では2畳ほどの狭い空間に家族4人で身を寄せ合った。

 震災の翌年、故郷の仙台を離れてカナダに拠点を移す決心をした。「震災が起きたところから離れて良かったのかな」と複雑な思いもあったが、自らが成長できる環境に飛び込んだ。

 被災地への関心が薄れていくことを懸念し「ボランティアや募金もだいぶ途絶えてきてしまった。(金メダルをきっかけに)復興に対する一歩を踏み出していただけたら一番うれしい」と願う。26日にさいたま市で開幕する世界選手権では期待を背負う覚悟を固め「チャンピオンとしてふさわしい選手でありたい」と初優勝を目指す。(共同)

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2014年3月12日のニュース