春場所大丈夫?日馬 十両相手に不覚…左足首痛め“八つ当たり”

[ 2014年3月6日 05:30 ]

稽古をする横綱日馬富士(右)

 大丈夫か、日馬富士――。先場所全休し、大相撲春場所(9日初日、ボディメーカーコロシアム)に再起をかける横綱・日馬富士(29=伊勢ケ浜部屋)が5日、時津風部屋(大阪市東成区)に出稽古。大関・鶴竜(28=井筒部屋)も出稽古に来ていたが、あえて十両の双大竜(31=時津風部屋)を申し合いに指名。しかも、7勝1敗と土までつけられる始末で、本番を目前に不安が募った。

【春場所番付】

 横綱の威厳はなかった。前日も時津風部屋に出向き、鶴竜に2勝8敗だった日馬富士。この日も同部屋に出稽古すると、その大関の姿が再びあった。当然、前日の雪辱をするものと誰もが思った。ところが、申し合いの相手に選んでポンと肩を叩いたのは双大竜だった。

 この日の時津風部屋は調整の最終段階として申し分のない環境だった。鶴竜だけではなく、幕内・豊ノ島もいる。それにもかかわらず絶対に本場所で当たらない十両力士を指名した。

 気分転換を図りたかったのかもしれない。だが、強さを見せつけるどころかこの日も精彩を欠く内容で7勝1敗。鋭い立ち合いは鳴りを潜め、差し込まれるシーンが目立った。しかも4連勝後には、力なく押し出されて屈辱的な黒星まで喫した。いくら稽古とはいえ、横綱が少ない番数で十両に全勝できないのは異常事態。わざと相手に押し込ませておくことはあっても土俵を割ることはない。

 これでカッとなったのか、次の一番で双大竜をイッキに押し出した直後には、左足首をかばうしぐさをしながら「痛っ!」と思わず叫び、さらに「急に力を抜くな。危ないだろ」と双大竜に“八つ当たり”までした。

 双大竜との申し合いを8番で終えると、その後は幕に胸を出すぶつかり稽古で終了。「見ての通り元気バリバリです。左足首も大丈夫」という言葉もむなしい。仮に日馬富士が今場所で成績が振るわなければ、夏場所で進退を問われる可能性もある。分厚いサポーターに隠れる左足首の状態は分からない。だが、この日の稽古で場所への不安が一層、増したことだけは確かだ。

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2014年3月6日のニュース