東芝王手!“府中ダービー”逆転でサントリー4連覇止めた

[ 2014年3月2日 05:30 ]

<東芝・サントリー>サントリーを破って決勝進出を決め、喜ぶ東芝の(右から)久保、湯原、立川

ラグビー日本選手権準決勝 東芝25―24サントリー

(3月1日 花園)
 準決勝2試合が行われ、東芝(トップリーグ3位)がサントリー(同2位)に25―24で勝利し、06~07年シーズン以来、7季ぶりの優勝に王手をかけた。後半3分には18点差をつけられたが、風上を味方にFW陣が奮闘し、見事な逆転勝利を収めた。また、トップリーグ王者のパナソニックは、46―5で神戸製鋼(同3位)に圧勝。決勝は9日に国立競技場で行われる。

 東芝フィフティーンは固唾(かたず)をのんだ。1点リードの試合終了間際。相手にPGを与え、決められれば“逆転サヨナラ負け”の状況。プロップ浅原は「決められたら仕方ない」と覚悟を決め、プロップ久保は「生きた心地がしなかった。見られなかった」と震えた。相手CTBニコラスが狙いを定めて蹴る。しかし、ボールはポールのわずかに左を通過。勝利が決まった瞬間、誰もがガッツポーズを繰り出した。

 和田賢一監督は「最後のPGの成否で決まるクロスゲームだった。ラッキーな部分もあったが、選手がこだわりとプライドを持って挑んだ結果です」とフィフティーンを褒め称えた。互いに東京都府中市にグラウンドを構え、ライバル関係にある両チームの対決は「府中ダービー」と呼ばれる。1月5日、トップリーグ第2ステージの対戦では、終了間際の決まれば逆転勝利という50メートル超のPGを、SH小川が外して敗戦。同様の展開で、今度は東芝が笑った。

 しかし、相手のミスに助けられた勝利ではないことは、誰もが分かっている。6―17で折り返した前半から、スクラムではサントリーを圧倒。後半開始直後には18点を追う展開となったが、同16分にラインアウトからモールを押し込み反撃のトライ。同21分には認定トライを得ると、25分にもラインアウトからモールを押し込み逆転トライ。FWリーダーのロック大野は「PGを狙うのが主流の中で、タッチを蹴ってモールで押し込もうと、選手全員が同じ方向を向けた。優勝を狙えたころの東芝に戻った」と強い東芝の復活を宣言した。

 決勝の相手は、今季3戦3敗のパナソニック。「最後の国立。楽しみたい」と大野。不敵な笑みを浮かべたベテランは、大一番に視線を向けた。

続きを表示

2014年3月2日のニュース