レジェンドの意地!葛西 五輪後初戦、右膝負傷も銅メダル

[ 2014年2月28日 05:30 ]

W杯ジャンプ男子個人第21戦で3位に入り、表彰台に立つ葛西(右)

ノルディックスキー W杯ジャンプ個人第21戦

(2月26日 スウェーデン・ファルン=HS134メートル、K点120メートル)
 ソチ五輪後の再開初戦で、葛西紀明(41=土屋ホーム)が133メートル、130・5メートルの合計248・8点で、今季5度目の表彰台となる3位に入った。年間総合でも3位をキープ。渡瀬雄太(30=雪印メグミルク)が30位、竹内択(26=北野建設)は2回目に進めなかった。

 2回目のジャンプに向かう葛西の足取りは重かった。133メートルを飛んだ1回目の着地の際、右膝を痛めるアクシデント。着地点の雪が軟らかい状態で「あんなところに落とし穴があるとは思わなかった。(スキーが)埋まった。衝撃が強い分(膝が)ぐにっとなった」という。それでも痛みをこらえ、130・5メートルを飛んで3位。「課題と思っていたテレマークでケガするし、なかなかうまくいかない」と顔をしかめたが、ソチ五輪ラージヒル銀メダリストの意地を見せた。

 W杯は残り7戦。トップのプレブツとは182ポイント差、2位のストッホとも165ポイント差と逆転は簡単ではない。いわゆる自力優勝の可能性は消滅しているが、「最後までもつれると思うけど、ベストを尽くしたい」と日本人初の総合制覇に意欲は十分だ。

 五輪でも98年長野大会で団体メンバーから漏れた悔しさをバネに、41歳にして初の個人メダルを獲得し、日本の団体銅をけん引したレジェンド。試合後は治療のために早々に引き揚げたが、道が険しいほど燃えることを、日本中が分かっている。

 ▼渡瀬 (2回目は)風に叩かれた。いきなり(調子が)良くなるということはないが、気持ちだけは切らさずにやっていきたい。

 ▼竹内 タイミングが早すぎて失敗した。(体調の問題は)試合に出ているので、言い訳はできない。

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2014年2月28日のニュース