遠藤 鶴竜の胸借りた充実20番「免疫つけた」

[ 2014年2月27日 05:30 ]

稽古終了時に黙想をする(左から)鶴竜、遠藤

 大相撲の春場所(3月9日初日、ボディメーカーコロシアム)で入幕4場所目にして初めて横綱、大関陣と総当たりする東前頭筆頭・遠藤(23=追手風部屋)が26日、入門以来初の出稽古を行った。大阪市の井筒部屋に出向き、初日に対戦することが濃厚の大関・鶴竜(28)と手合わせ。大関のレベルの高さを痛感する内容となったが、最速での三役昇進に向けて大きな経験を積んだ。

【春場所番付】

 入門から1年が経過し、遠藤がついに出稽古を解禁した。これまでは「新弟子なので無理をする必要はない」という師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)の方針で所属部屋で稽古を積んできた。だが、春場所は序盤から横綱大関と対戦が組まれる番付まで上昇。先週の大阪入り後に師匠から「上位と稽古しないといけない」と出稽古の必要性を説かれ、この日、井筒部屋に出向くことを指示された。支援者の車に乗ること30分。初日に対戦することが濃厚な鶴竜の“ホーム”で人生初の出稽古を経験した。

 報道陣には非公開だったが、鶴竜と遠藤の話を総合すると、2人は三番稽古(同じ相手と続けて稽古を行うこと)を敢行。20番取って内容は経験も番付も年齢も上の鶴竜が遠藤を圧倒したという。大関のまわしに指をかけた場面は1度だけだったという遠藤は「ただただ強かった。話にならなかった。まわしを取ろうとするとすぐに切られ攻めが速い。重いし、あれがトップクラス」とお手上げ状態。それでも、昨年2月の入門会見の際に「目指している相撲は鶴竜関」と話した存在と実際に胸を合わせ「肌で感じ、免疫をつけるというか。技術面では大関が上なので。いい経験になりました」と充実感もにじませた。鶴竜も「相撲がうまい。力の抜きどころを分かっている。ガチガチになっていない」と評価。2人は27日以降も稽古を行う方針だ。

 角界の頂点である横綱との対戦も控えるざんばら髪の23歳。勝ち越せば豊山、武双山と並ぶ所要7場所での最速新三役も見えてくる。「ここが一番上の領域。ここで自分がやっていくんだというところまで来られた。あとは頑張るだけ」。出稽古で高い壁を実感し、ますます気合が入っていた。

続きを表示

2014年2月27日のニュース