竹内2個目メダル届かず「ベスト16は妥当と言えば妥当」

[ 2014年2月23日 05:30 ]

決勝トーナメント1回戦敗退も笑顔でひきあげる竹内

ソチ五輪スノーボード女子パラレル回転

(2月22日 ロザフータル公園)
 新種目のスノーボード女子パラレル回転が22日に行われ、同大回転で銀メダルを獲得した竹内智香(30=広島ガス)は、同一大会での複数メダル獲得を逃した。予選13位で上位16人による決勝トーナメント1回戦に進んだが、ジュリー・ツォク(21=スイス)との2回目の終盤でバランスを崩してコースアウト。準々決勝に進めず、14位に終わった。

 ツォクを捉え、抜き去るかと思われた瞬間にバランスを崩した。0秒20遅れでスタートした2回目。竹内は序盤の3旗門目でバランスを崩してリードを許した。そこから必死にツォクを追う。徐々に差を詰め、あと一歩。「どこかで攻めなきゃ」とギアを入れ替えた終盤にコースアウトし、旗門不通過で失格となった。

 今季W杯3試合で1度も予選を通れなかった回転で、13位で決勝トーナメントに進んだ。しかし、日差しは強く、雪面は時間がたつごとに緩くなった。持ち味の鋭い滑りが生きる状況ではなかった。ビンディング(板とブーツの留め具)を日の丸からゴールドに替えて金メダルを狙ったが、「完璧に力を出せたらベスト4はいけるかと思っていた。ベスト16は妥当と言えば妥当」と淡々と受け止めた。

 大回転に比べてコースの全長は半分以下の325メートル。旗門の数は大回転とほぼ同数で、間隔は狭く、よりテクニカルな滑りが求められる。使用する板も小回りの利く短いものになり、特性も変わってくる。回転は11年4月に採用が決まった新種目。「最後の最後まで大回転を優先してテストしてきた」と回転用の板を決めるタイミングも遅れたことが結果の違いにもつながった。

 竹内は「メダルを獲ったことでこの競技が5年10年と注目してもらえるなら満足できる」と4度目の五輪を振り返った。今後のことはシーズン後にコーチやサービスマンらと話し合って決断する。「これから4年間を計画的に戦える環境が整うなら続ける。今以上のことができないのであれば、辞めて次の世代を育てたい」。最高の環境を整えて迎えた今大会。「中途半端に続けたくない」という言葉は、それだけ必死に準備をしてきた裏返しでもあった。

 ▽スノーボードのパラレル回転 並行する2コースを各選手が1度ずつ滑り、予選の合計タイムで上位16選手が決勝トーナメントに進む。決勝トーナメントは1対1の対戦形式で、1回目は同時にスタート。2回目はコースを入れ替え、1回目のタイム差をつけて出る。先着した選手が勝ち上がり1回戦から準々決勝、準決勝、決勝を実施する。旗門の間隔はパラレル大回転が23メートル前後なのに対し、13メートル前後と狭いため、より繊細なターン技術が要求される。

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