前人未到への挑戦 真央「これが自分の思っていた構成」

[ 2014年2月22日 05:30 ]

トリプルアクセルを成功させた浅田

ソチ五輪フィギュアスケート女子フリー

(2月20日 アイスベルク・パレス)
 最後の夢舞台で、浅田が浅田であることを証明した。小学6年で初めて成功して以来、こだわりを持ち続けてきたトリプルアクセルを今季初めて加点つきで決めた。

 「ただ、うれしかった」。冒頭の大技を決めて波に乗ると、フリップ―ループの連続3回転はループが回転不足。ダブルアクセルとのコンビネーションで跳んだ3回転トーループも回転不足だったが、3度のスピン、ステップは最高難度のレベル4を獲得。自己ベストを6・38点更新し、魂の逆襲劇を見せた。

 「これが自分の思っていた構成なので、できて良かった」

 前人未到への挑戦だった。トリプルアクセルを含めた全6種類の3回転に成功すれば五輪女子初。8度の3回転を全て決める「エイト・トリプル」を達成すれば、女子初の偉業だった。昨年12月のファイナル、全日本選手権とフリーで2度のトリプルアクセルを組み込んだ浅田だが、年明けに大技を1度にして3回転フリップ―3回転ループのコンビネーションを含む構成に変えた。

 2度の大技に潜むリスクを回避し、今までできなかったことに挑む。全ジャンプを組み込むことで、演技全体に流れが出るという狙いもあった。10年バンクーバー五輪では苦手のルッツ、サルコーはプログラムになく、終盤のジャンプで失敗した。この日は回転不足はあったものの、全ジャンプをきれいに着氷した。「バンクーバーのリベンジはできたと思う」。4年前の自分よりも強くなったことを証明できた。それが何よりもうれしかった。

 極度の重圧に押しつぶされ、「取り返しのつかないことをしてしまった」と振り返ったSPと比較し、「天と地の差がある」と笑った。現在のフィギュア界で浅田しか跳べないトリプルアクセルを含めた世界最高難度の構成。フリーは3位だったが、ジャンプの基礎点合計はもちろん、誰よりも高かった。五輪ラストダンスで見せた輝きは、世界で浅田だけしか放つことのできないものだった。

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2014年2月22日のニュース