真央、意地の自己ベスト「これが自分がやろうと思っていた構成」

[ 2014年2月21日 02:13 ]

フリーの演技を終え、浅田の目からは涙がこぼれおちる

ソチ五輪フィギュアスケート女子フリー

(2月20日)
 これが本当の浅田真央の演技だ。前日のショートプログラム(SP)では重圧に勝てず16位に沈んだ浅田真央(23=中京大)だったが、この日のフリーはまるで別人。6つの3回転を含め、すべてのジャンプを成功させ、フリーでの自己ベストとなる142・71点をマーク、メダルこそならなかったが、6位まで巻き返した。

 冒頭のトリプルアクセルを成功させると、4年前のバンクーバー五輪では跳べなかった3回転―3回転のコンビネーション、続く3回転ルッツも成功。後半も2回転半―3回転、3回転―2回転―2回転などすべてのジャンプを決めてみせた。

 演技を終えた瞬間、感極まって涙。キスアンドクライで得点を確認すると、少しだけ笑みも浮かんだ。「これが自分がやろうと思っていた構成なのでよかったです。きょうの朝の練習でもよくなかったので、自分のことに集中して、自分のやりたい演技をしようと思いました」。

 バンクーバー五輪で銀メダルに終わった悔しさを糧に自分のスケートを一から見つめ直した。4年かけて作り上げた演技で悲願の金メダルを目指していたが、前日のSPではミスが相次ぎ、金メダルはおろかメダル獲得さえ絶望的な状況に追い込まれていた。

 「これまでも一つ、一つクリアにしてきた。だから、きょうもジャンプ一つ一つをクリアにしていこうと…4年間やってきたことができました」。フィギュア人生の集大成とに位置付けたソチ五輪。「きのうの演技は残念で悔しくて…日本代表としてメダルは持って帰れないけど、目指していたフリーの演技ができたので、支えてくれた人たちや応援してくれた人たちに、私なりの恩返しはできたかなと思います」。フリーを滑りきった満足感とSPの悔しさを残して浅田の五輪が幕を閉じた。

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2014年2月21日のニュース