葛西 笑顔は最高の輝き…次の戦いへ「金を目指して頑張りたい」

[ 2014年2月16日 05:41 ]

ジャンプ男子ラージヒルで銀メダルを獲得し、日の丸を手に喜ぶ葛西紀明

ソチ五輪ジャンプ男子ラージヒル決勝

(2月15日)
 五輪7大会連続出場の“レジェンド”葛西紀明(41=土屋ホーム)が、ついに個人で初の表彰台を射止めた。メダルの色は銀。それでも笑顔は最高の輝きを放った。

 「レベル高い試合だったので(メダルを)狙っていましたが簡単に獲れるとは思わなかった。2本ともいいジャンプができたと思う」

 1回目に139メートルをマーク。惜しくもテレマークが決まらず、ポイント差で同じ距離を飛んだストッホ(ポーランド)に次ぐ2位で折り返した。そして30人中29番目で飛んだ2本目。133・5メートルを飛び、この時点でトップに立ちメダルを確定させた。残るストッホの飛躍を待った。自身の記録を抜かれ結果は2位。悔しそうな表情を浮かべた葛西だが、次の瞬間には満面の笑みを浮かべていた。

 9日のノーマルヒルでは8位にとどまり「メダルを獲る難しさ」をあらためて感じたという。さらに、腰を痛めるアクシデントに見舞われた。しかし、不屈の闘志でラージヒルに挑んだ。
 
 「負けたくないという気持ちが一番強かった。たくさんの人に支えてもらい、その応援に応えたいという気持ちだった」。92年のアルベールビル大会に19歳で初出場を果たしてから22年。五輪での金メダルを追い求めてきた。団体では94年のリレハンメル大会で銀メダルを獲得。98年の長野大会で日本は金メダルを獲得したものの、ケガの影響で団体メンバーを外され、仲間の歓喜の輪に入ることはできなかった。個人ではリレハンメル大会でのノーマルヒル5位が最高成績。“個人で金”が長く競技を続けるモチベーションとなっていた。

 悲願の金メダルには惜しくも届かなかったが、葛西はうれしそうに話した。「初めてですね、個人でメダル獲ったことなかったんで。(メダル授与)セレモニー楽しみにしてます」。

 今年1月のW杯(オーストリア)で41歳7カ月の史上最年長優勝を果たすと、各国の年下ライバルたちは尊敬の気持ちを込めて次々と“お辞儀”を繰り返し、会場は大歓声に包まれた。世界が認める“レジェンド”は、ソチの舞台で新たな伝説をつくった。それでも葛西の挑戦はまだ終わらない。「金メダルを獲って本当の“レジェンド”と呼ばれたかった。金メダルを目指して頑張りたい」。

 17日(日本時間18日未明)の団体戦。葛西は早くも次なる戦いに目を向けた。

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