葛西 腰に不安なし!金なら冬季五輪最年長記録に

[ 2014年2月15日 05:30 ]

ラージヒルの公式練習でジャンプする葛西

ソチ五輪ジャンプ男子ラージヒル

 “レジェンド”が冬季五輪最年長金メダルの偉業に挑む。ジャンプ男子ラージヒル(HS140メートル、K点125メートル)は15日(日本時間16日午前2時30分)に行われる。ノーマルヒルで8位にとどまった葛西紀明(41=土屋ホーム)は、13日の公式練習では腰痛の不安を感じさせないジャンプを見せた。今大会で活躍が目立つアラフォーの波に乗り、7度目の五輪で初の個人メダル、しかも金色のメダルに照準を定めた。

 瞳の奥がきらりと光った。その輝きはもちろん金色だ。「凄い!負けてらんない」。今大会にはリュージュ男子1人乗りのデムチェンコ(42=ロシア)が葛西と同じ、7大会連続の出場。そのデムチェンコが銀メダルを獲得したと知らされての葛西のリアクションだった。

 デムチェンコはこれが冬季五輪の個人最年長メダル。同種目では、40歳のツェゲラー(イタリア)も3位で、史上初の6大会連続メダルを獲得した。さらに、10日のバイアスロン10キロスプリントではノルウェーの40歳、ビョルンダーレンが優勝して、こちらは冬季五輪の最年長金メダルとなった。

 とにもかくにも、今大会はアラフォーのオリンピアンが次々に記録を樹立している。となれば、今度は日本選手団の主将を務めるジャンプ界のレジェンドの番だ。9日のノーマルヒルで痛めた腰は順調に回復しており、痛み止めも必要なくなった。一難去ってまた一難で、今度はおなかを壊したものの「ピロシキにやられました。腐ったピロシキだった」と笑い飛ばす余裕は残っている。

 前日の公式練習を回避してラージヒル初飛びとなった13日も、それらの不安を感じさせなかった。1回目131・5メートル、2回目134メートルでいずれも全体2番目の距離をマーク。腰への負担を考慮して着地でのテレマーク姿勢は決めきれなかったが、ジャンプそのものは好調な状態にある。金メダル獲得となれば、ビョルンダーレンの記録を更新する冬季最年長記録だ。ジャンプ界だけでなく、五輪においても伝説を残す。「ここは本当に獲りにいかなきゃ。金メダルの席に座りたい」という言葉に力がこもった。

続きを表示

2014年2月15日のニュース