渡部暁 複数メダル獲りに意欲!次晴氏号泣には苦笑い

[ 2014年2月14日 05:30 ]

表彰式で銀メダルを手に笑顔の渡部暁

 ノルディックスキーの複合ノーマルヒルで銀メダルを獲得した渡部暁斗(25=北野建設)が13日、一夜明け会見を行い、複数メダルへの意欲を示した。W杯総合2位の実力を発揮してメダルを獲得しただけに、18日の複合ラージヒルもチャンスは十分。個人種目での同一大会複数メダルとなれば、冬季では98年長野五輪の船木和喜(ジャンプ)、清水宏保(スピードスケート)以来になる。13日夜にはメダル授与式に出席し、銀メダルを首にかけてもらうと爽やかな笑みを浮かべた。

 五輪でメダルを獲ることの大きさを渡部暁は実感した。前夜は取材、ドーピング検査、食事、テレビ出演と慌ただしく過ごし、午前1時ごろにベッドに横になった。携帯にはおびただしい数のメッセージ通知。「凄いことをやってしまったんだな」。その数は朝起きるとさらに増えていた。

 数え切れない祝福の中には元五輪代表の荻原次晴氏(44)からの「泣いたよ。メダル見せてね」というものもあった。日本複合勢20年ぶりのメダル獲得とあって、テレビの現地キャスターを務めた次晴氏は生放送中に号泣して話題となった。渡部暁はインターネットで確認して「僕のニュースよりも次晴さんの号泣のニュースが多かったみたい」と苦笑いしつつも「号泣してもらったおかげで複合チームの20年ぶりの苦労が伝わったんじゃないか」と感激した。一方、次晴氏の双子の兄で、所属先の監督でもある健司氏からは「何もない」。渡部暁は「あっさりしてる。それでいい」と両極端な複合ツインズの反応に笑顔を見せた。

 周囲の喜びの大きさを感じるにつれ、「もう1個獲れたら最高でしょうね」と野望は膨らんできた。ラージヒルもジャンプ台の大きさが変わるとはいえ、距離はノーマルヒルと同じコースで10キロ。今季はラージヒルのW杯でも3戦出場して2度表彰台に上がっている。不安はない。

 1大会で個人複数メダルとなれば船木和喜、清水宏保というそうそうたる顔ぶれに並ぶ快挙だ。「飛べない選手は苦労するだろうし、ジャンプが得意な選手の方が有利。ノーマルヒルほどタイトな差にはならないんじゃないか」と冷静にレース展開を予想。「最初の試合でメダルを獲れて肩の荷が下りた。ノーマルヒルよりは余裕を持って試合に臨める。銀は獲った。あとは金を獲りにいく」と固い決意を示した。

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