平岡は銅!マイペース貫き緊張無縁「楽しんでいた」

[ 2014年2月13日 05:30 ]

滑走を終え観客席の声援に応える平岡

ソチ五輪スノーボード男子ハーフパイプ

(2月11日)
 予選2組2位だった平岡卓(18=フッド)も92・25点で銅メダルを獲得し、18歳105日は日本人では平野に次いで冬季五輪2番目の年少メダリスト記録となった。
【競技結果】

 銅メダリストはどこまでもマイペースだった。表彰台に上がった11日から一夜明けたメダリスト会見。平岡は眠そうな表情で興奮をコメントに乗せることもなかった。

 「(宿舎に)帰ってソッコーで寝て、特に夢とか見なかった」

 カメラマンから「笑顔で!」と注文され、ようやく白い歯をのぞかせた。小学校の卒業文集で自分の夢と記した金メダルを逃した悔しさが要因ではない。自身を「マイペースで自己中心的」と評する男の真骨頂だった。

 11日の決勝でも、この性格が強みとなった。1本目で不発の場合、重圧がかかる2本目はイチかバチかの勝負に出て失敗するケースが多い。平岡の1本目は5つ目のエアでミスして45・50点止まり。しかし、それでも動じなかった。「全然、緊張しなかった。普通の大会みたいに楽しんでいた」。勢いよくパイプに飛び出し、スケールの大きなエアを連発。最後のダブルコーク1080(軸をずらしながら3回転)まで鮮やかに着地して92・25点をマーク。平野の1本目を上回り、一時は2位に浮上した。

 3歳下のライバルの存在を自らの力に変えている。ボードの契約メーカーは同じで、海外合宿には一緒に赴く。家族に「歩夢には勝てないかもしれない」と漏らし自信を失いかけたこともあったが、お互いの技を見て研究、競い合ってレベルアップに励んできた。

 最終的に逆転されたものの、3位を確認すると頬を緩め、平野とハイタッチ。「歩夢はうまい。(抜かれたのは)仕方ないっす。一緒にメダルを獲れて良かった」。素直にライバルを称えた。

 雪の少ない奈良県の平野部出身。冬場に父・賢治さんが運転する乗用車で岐阜県などに足を運び、腕を磨いてきた。「スノーボードは自由な、楽しい感じのスポーツ。日本で、もっと盛り上がってほしい」。世界の大舞台で活躍を続け、愛する競技の伝道師となる。

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