スマイルジャパン“仮想ロシア”に連勝!指揮官「自信に」

[ 2014年1月31日 05:30 ]

<チェコ・日本>強化試合でチェコ代表に連勝したアイスホッケー女子日本代表

女子アイスホッケー強化試合

(1月30日 チェコ・トジェモシュナ)
 世界ランク10位でソチ五輪に出場するアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が同9位のチェコに2連勝した。「仮想ロシア」と位置づける相手に30日の強化試合第2戦はFW中村亜実(26=西武)が流れを引き寄せて2―1で競り勝った。29日の第1戦でもFW久保英恵(31=同)のゴールなどで3―0と快勝。五輪に弾みをつけた日本は2月1日にソチに入り、同5日(日本時間午後11時)に五輪1次リーグで対戦するロシアと強化試合を行う。

 日本が2連勝でソチに乗り込む。大柄で個人技が高い選手がそろい、五輪1次リーグ第2戦で対戦する開催国をイメージして飯塚監督が「仮想ロシア」と位置づけたチェコとの強化試合。30日の第2戦で日本は一瞬の隙を逃さなかった。第1ピリオド、チェコの猛攻に体を張ってしのぐ苦しい展開で逆襲から中村が持ち込んで鮮やかに先制点。中村は「第1戦はミスが多かったので取り返したかった。冷静にコースを狙えた」と喜んだ。

 試合前、飯塚監督は「全員で走って全員で守る。これが生命線だ」と第1戦に続いて前線からの激しいチェックを指示。連戦の疲労で動きは重かったが、持ち前の俊敏さと豊富な運動量で守備からリズムを生むチーム戦術の浸透を印象づけた。

 第3ピリオドにはゴール前の混戦から山根が「自信になる」という貴重な追加点。五輪の1次リーグB組で対戦するスウェーデン、ロシア、ドイツとの試合は守勢に回る展開が予想される。指揮官は「ロースコアで少ないチャンスを生かしたい。チームは確実に成長している」と力を込めた。

 29日の第1戦ではエース久保が「瞬時にコースが見えた」と自画自賛のゴールを決めた。第2ピリオドの2点目はパワープレーでFW山根が相手GKの視界を遮る動きからDF小池のシュートの軌道を変える技ありの一撃だ。守備陣がロングシュートを放ち、FWがゴール前に詰めてリバウンドを狙った。合宿ではシュートの軌道を変えるリフレクション練習を徹底。「GKに嫌なというか取りづらいシュートを打って、リバウンドがパターンの一つ」と飯塚監督。隙は見逃さない。

 地元開催だった98年長野五輪は5戦全敗に終わったが、自力で五輪切符を手にしたソチでスマイルジャパンはメダルを目標に掲げる。11月の5カ国対抗で4―5と競り負けたチェコに雪辱。指揮官は「2連勝は自信になる。チーム状態は9割くらい」と話し、FW平野は「自信になった2連戦。五輪では目標であるメダルに向かって頑張りたい」と訴えた。夢舞台につながる2勝となった。

 ▽チェコ戦VTR 昨年11月7日に5カ国対抗戦(新横浜)で対戦して4―5で逆転負け。3―2とリードしていたが、第3ピリオドに追いつかれ、一度は4―3と勝ち越しながら、そこから2失点した。日本は序盤からスピードある守備で試合をコントロールも、コミュニケーション不足でミスが目立った。五輪代表発表前最後の実戦で、チーム内の競争意識が影響した。

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