稀勢2度目綱獲りへ 先場所V日馬休場で有利に

[ 2014年1月11日 05:30 ]

汗を飛ばして高安(右)と稽古に汗を流す稀勢の里

 日本相撲協会は10日、初場所(12日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、2度目の綱獲りを狙う大関・稀勢の里(27=田子ノ浦部屋)は初日に平幕の豊ノ島、2日目に小結・妙義龍との対戦が組まれた。いずれも対戦成績で勝ち越しており、さらに先場所覇者の横綱・日馬富士が休場することも決定。有利な状況となった。日馬富士に加え、年明けに虫垂炎の手術を受けた豊真将、先場所左膝を負傷した琴勇輝の幕内3人が休場する。

 初日まで残り2日となった田子ノ浦部屋(東京都墨田区)での稽古後。稀勢の里は初日と2日目の取組が書かれた紙(割)を見つめ「割を見ると身が引き締まるし、気合も入る」と完全に本場所モードに思考を切り替えた。この日の稽古では幕内・高安と17番取って12勝。「場所前はかなり充実した稽古ができた。準備はできたつもりでいる」と万全な仕上がりをアピールした。

 13勝以上の優勝が目安となる2度目の綱獲りへ状況も後押ししている。初日は2年前の春場所から8連勝中の豊ノ島(過去24勝7敗)、2日目は昨年夏場所から4連勝中(過去9勝2敗)の妙義龍との対戦が決定。いずれも得意とする相手だが、初の綱獲りだった昨年名古屋場所は前半だけで3敗を喫しており「油断はできない」と気を緩めることはなかった。

 さらに、先場所優勝の日馬富士が左足首負傷で休場が決まった。「体調はいろいろありますからね」と相手を思いやったが、横綱戦が白鵬だけとなって精神的な負担が軽減したことは事実。自らは02年春場所の入門以来939回連続出場中と一度も休場なく力士人生を送れている。「(育ててくれた)両親プラス、相撲を教えてくれた先代師匠(元横綱・隆の里)もそうですし、いろいろなところで恵まれている」と強じんな体が自分だけの力でつくられたわけではないことを強調した。

 あとは恩返しするだけだ。「まだ男になりきれてない」と本音が出るのは賜杯を抱いていないから。11年前に貴乃花が引退して以来不在の日本人横綱誕生へ、そして相撲人気復活に向け「また昔のような日(連日大入り)が来るように頑張る」と使命感たっぷりに意気込んだ。

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2014年1月11日のニュース