桐蔭学園 “大阪”圧倒!山田90メートル独走トライ

[ 2014年1月6日 05:30 ]

<桐蔭学園・大阪桐蔭>後半25分、トライを決める桐蔭学園・山田

第93回全国高校ラグビー準決勝 桐蔭学園43―0大阪桐蔭

(1月5日 花園)
 準決勝2試合が行われ、Aシードの桐蔭学園(神奈川)は春の全国選抜大会優勝校の大阪桐蔭(大阪第2)に43―0で圧勝し、3大会ぶり4度目の決勝進出を果たした。準々決勝まで2トライにとどまっていたチーム一の俊足WTB山田雄大(3年)が、90メートルの独走を含む3トライと大活躍。7日の決勝では3年ぶり2度目、そして初の単独優勝を懸けて、同じくAシードの東海大仰星(大阪第1)と対戦する。
【日程&結果】

 試合中、山田の頭には前夜のあるシーンがこびりついていた。「(藤原)監督から“おまえ(今大会で)何もやっていないぞ”とプレッシャーを掛けられて。やらなきゃ、やばいと」。50メートル6秒1の快足ウイングが、準々決勝までの3試合でわずか2トライ。しかし指揮官の一言は、眠れる獅子を覚醒させるには十分だった。

 まずは試合開始1分、相手キックオフからゲインを重ねて相手陣に入り、左中間ラックからの展開で右ライン際を走りきり、先制のノーホイッスルトライ。「やろうとしていた継続ラグビーを前面に出せた。あれで波に乗れた」と振り返った。後半16分にはSO横山主将のキックに反応し、10メートル以上先にいた対面を追い抜いてインゴール右隅でボールを押さえた。
 
 そしてハイライトは同25分、自陣でのスクラムからブラインドサイドで直接パスを受けると、古賀稔彦、吉田秀彦らを輩出した世田谷学園中柔道部で培った腰の強さを生かし、相手3人をはねのけ加速する。敵陣10メートルライン近くでは、待ち構える4人目をステップワークで右に置き去りにし90メートルを疾走。最後は5人目の相手ともつれ込みながらインゴール右端に飛び込んだ。トライ後は「疲れすぎて喜べなかった」と言い、直後に交代。それでも「トレーニングを積んで体重は入学時から15キロ増えた。強みであるスピード、ステップ、体幹の強さ、全てを出せた」と胸を張った。藤原監督も前夜から一転、「ほしいところでビッグプレーをしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。
 
 目標の選手はOBの松島幸太朗(サントリー)。3年前、あこがれの先輩も準決勝の大阪朝高戦で100メートルの独走トライを奪った。「まだまだ及ばない」と謙遜するが、その松島が成し遂げられなかった単独優勝に王手をかけた。「ずっと言ってきたこと。入学した時からそこにはこだわりがあります」。もう喜びと悔しさが入り交じる両校優勝はいらない。頂に立つのは、桐蔭学園1校だ。

 ◆山田 雄大(やまだ・ゆうた)1995年(平7)6月3日、東京都生まれの18歳。小学校からワセダクラブでラグビーを始め、世田谷学園中では柔道部に所属。中3時には全国ジュニア大会に東京都スクール選抜の一員として出場し、CTBで優秀選手に選出された。1メートル73、77キロ。

 ▽桐蔭学園の両校優勝(10年度) 11年1月8日、大会連覇を目指す東福岡と決勝で対戦。前半は一方的に攻めて24―10で折り返し。後半1分には一時21点のリードを奪ったが、そこから東福岡が猛反撃。31―24の同29分にトライとゴールで同点とされ、ノーサイドとなった。両校優勝は22大会ぶり4度目。桐蔭学園には松島幸太朗や竹中祥(筑波大)らが在籍。
 

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