天国の母へ…広瀬、明大77大会ぶりの6区区間賞

[ 2014年1月4日 05:30 ]

明大7区・松井(右)にタスキをつなぐ6区・広瀬

第90回箱根駅伝

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・9キロ)
 総合6位の明大は山下りの6区で広瀬大貴(4年)が区間最高に5秒と迫る58分16秒で自身初の区間賞を獲得した。明大の選手が同区の区間賞を獲得するのは32年の片渕昇以来77大会ぶり。入学直後に亡くなった天国の母・美保子さん(享年45)に、大学最後のレースで最高のプレゼントを贈った。

 大学最後の箱根路を下っていく広瀬に順位は関係なかった。「力を出し切る」と胸に誓って7位で芦ノ湖をスタート。急傾斜を果敢に攻めて行った。前を行く拓大、青学大を序盤で抜き去った。

 15キロまでは千葉健太(11年、駒大)の区間記録を上回るペース。終盤「バテてしまった」と失速しかけたが、再びエネルギーを取り戻したのは15キロすぎだった。沿道には母の遺影を抱えた父・渚さん(52)の姿があった。母の顔を確認し、「あと5キロ!」と叫ぶ父の声をはっきり聞き取ると、再びギアを上げた。5位で小田原に帰ってきた。狙っていた区間記録にはわずか5秒届かなかったが、同区では明大勢77大会ぶりの堂々たる区間賞。「区間新を獲れなくて、母には詰めが甘いと言われるかもしれませんね。でも最低限の区間賞を獲れてよかった」と言って、笑顔を見せた。

 ◆広瀬 大貴(ひろせ・だいき)1991年(平3)10月6日、京都府生まれ。洛南高卒。1万メートルのベストは29分54秒45。13年関東インカレ1500メートル4位。1メートル77、58キロ。

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2014年1月4日のニュース