金哲彦氏が分析 東洋大、全区間後半勝負で追随許さず 6区に勝利の鍵

[ 2014年1月4日 08:15 ]

総合優勝を決め胴上げされる東洋大・酒井監督

第90回箱根駅伝

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・9キロ)
 【金哲彦の目】6区がキーポイントだった。往路での59秒差は駒大にしてみれば十分に逆転可能。復路スタートの6区で1秒でも差が縮まれば、7区以降の東洋大の選手には焦りが生まれたはずだ。だが、日下は序盤に差を詰められながら中継点では1分17秒差とリードを広げた。前半は突っ込まず後半にペースを上げたからで、日下だけでなく東洋大はどの区間の選手も酒井監督の指示通り、10キロを過ぎてからペースを切り替える走りができていた。

 選手層が厚いチームに一人一人しっかり走られると差を詰めるのは容易ではない。逆に、9区の窪田に逆転を託した駒大はエース一人にかかる負担が大きくなった。この東洋大に対しては窪田を復路のエース区間である9区ではなく7区で使うなど、早いうちに差を詰めておくべきだった。

 レース全体では1区が印象に残った。早大の大迫という絶対的エースに対し、他校の選手が警戒して慎重になるどころかついていき、1年生の一色(青学大)が前へ出るなど決して負けていなかった。これらの選手は全国高校駅伝やインターハイで大活躍したわけではなく、箱根駅伝という舞台が精神的な成長を促していると感じる。選手の紹介資料でも将来の目標には「東京五輪」が目立っており、明確なターゲットが大学生の意識を高いものにしている。(駅伝マラソン解説者)

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2014年1月4日のニュース