真央 アクセル失敗「盛り上がりに欠けたけど」首位発進

[ 2013年12月23日 05:30 ]

女子SPで華麗な演技を見せる浅田

フィギュアスケート全日本選手権第2日

(12月22日 さいたまスーパーアリーナ)
 トリプルアクセルを降りた瞬間に、浅田は分かっていた。完璧なジャンプではなかったこと。回転が明らかに足りていなかったこと。「回転不足がはっきり分かって残念だった。アクセルが決まらなかったことで全体の盛り上がりに欠けたけど、悪い失敗じゃなかった」。表示されたスコアは73・01点。はかなげな表情でフィニッシュすると、大歓声とともに柔らかな笑みが広がった。

 大技で減点されても、ぶれない強さが今の浅田にはある。「アクセルがきっちり決まれば他のジャンプも気持ちが楽だった。気持ちは苦しかったけど、自分がやることはできた」。3回転フリップ、演技後半の3回転ループ―2回転ループに成功。自身の1つ前には今季復帰して注目を集める安藤が滑った。「安藤選手とは(過去の)全日本では必ず一緒のグループで、安藤選手が先で自分が後だった。“今回もそうなったね”って話しながら(20日の)抽選を終えた」。過去の経験があったから、心は揺れなかった。

 今季SP「ノクターン」は全日本初制覇の7季前、06―07年シーズンも使用。当時16歳。滑ることがただ楽しくて天真らんまんに笑っていた少女は、23歳の大人の女性に変貌した。「愛あふれるノクターンだと思う。成長した自分を見てほしい」。特にテーマのなかった7季前とは違い初恋や大自然を思い描く2分50秒。06年の全日本選手権SPは71・14点だった。7年が経過し、5項目の演技点は31・04点から35・28点にアップ。この4・24点に、浅田の成長が凝縮されている。

 GPファイナルで金メダルを獲得するなど、既にソチ五輪代表入りは確実だが、23日のフリーで7度目の日本一を目指す。「五輪代表が決まる全日本は特別で、ワクワクドキドキの試合。4年前より、調子も気持ちもはるかに上にいっている。できることを一つ一つ決めて、ソチ五輪につなげたい」。7年前の自分を超えたSP。フリーの4分間で、4年前の自分よりも強くなったことを証明する。

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2013年12月23日のニュース