真央「やった」 今季初“満足”アクセルでSP首位!

[ 2013年12月6日 05:30 ]

女子SPの演技を終えガッツポーズする浅田

フィギュアスケートGPファイナル第1日

(12月5日 マリンメッセ福岡)
 大技に手応え十分だ。女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央(23=中京大)が72・36点で首位に立った。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回転不足だったが、今季一番のクリーンな着氷。納得のスマイルを浮かべた浅田は、7日のフリーでファイナル4勝目を目指す。

 確かな手応えが、今季一番のスマイルにつながった。柔らかなピアノの旋律に乗って、浅田が力強く踏み切った。冒頭のトリプルアクセル。空中で鋭く回り、氷上に降り立った。わずかに回転不足の判定だったが、演技後は珍しく大きなアクションで喜び爆発だ。佐藤信夫コーチに迎えられると、「やった」とまた笑う。72・36点で首位発進。ジャッジは厳しかったが、「凄く満足。凄くいい感じで跳べたし、(回転不足は)あまり気にしていない」と充実感を漂わせた。

 シーズン終盤まで大技を封印した昨季と違い、今季は初戦から投入。ジャパン・オープンとGPシリーズ2戦では、回転は認定されても両足着氷や着氷が乱れるジャンプが目立った。「きっちり跳ぶこと」を目標にしていた今大会。一番クリーンな着氷だったからこそ、回転不足と判定されても満足感に浸ることができた。昨季と今季の決定的な差は、自らの感覚に表れている。練習から「体が“いける”と思った時は、絶対にいける」という。今季から使用する、片足約100グラム軽量化されたスケート靴も、浅田を後押ししている。

 今季GP2戦では藤色一色の衣装だったが、この日は藤色をベースに濃い紫が入ったものを着用。「濃い色もいいなと思っていた。色合いも大好き」。衣装を替えたのは、戦略的な意味合いもある。黒など強い色の衣装を着た選手と公式練習で同じリンクに立つと、ややインパクトに欠ける印象があった。佐藤久美子コーチらスタッフ、振り付けを担当したニコル氏らが話し合って新衣装を作製。ソチ五輪で着用する衣装は未定だが、技術面だけでなく、夢舞台に最も映える勝負服の準備も着々と進んでいる。

 SP首位発進でスルツカヤに並ぶ史上最多のファイナル4勝目に王手。ソチ五輪開幕まであと2カ月となる、7日のフリーではバンクーバー五輪シーズン以来、4季ぶりにトリプルアクセル2発に挑戦する可能性が高い。「きょう(5日)は良かったので、この気持ちをそのままフリーに持っていけたらいい。やってきたことを信じてやれば、やれると思う」。アクセル全開の瞬間は、すぐそこだ。

 ◆浅田の今季GPシリーズ
 ★10月スケートアメリカ SPのトリプルアクセルは着氷がやや乱れたものの、73・18点をマークして首位発進。フリーの大技は激しく転倒して臀部(でんぶ)を強打した。他のジャンプでもミスがあったものの、131・37点。合計204・55点で優勝し、ファイナルを含めたGP全7大会制覇を達成した。
 ★11月NHK杯 スケートアメリカ後にSPを手直しし、表現力を示す5項目の演技点で自己ベスト、SPは71・26点。フリーの136・33点、合計の207・59点はともに自己ベストで、クワン(米国)に並んで歴代2位となるGP通算13勝目。

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