真央 3回転半フリー2回跳ぶ!得点より「納得できる演技を」

[ 2013年12月5日 05:30 ]

公式練習を終え、はファンにあいさつする浅田真央

 最高難度のプログラムに挑む。フィギュアスケートのGPファイナルは5日、マリンメッセ福岡で女子ショートプログラム(SP)などで開幕する。4日は会場で公式練習が行われ、浅田真央(23=中京大)が軽快な動きを披露。7日のフリーでは10年バンクーバー五輪シーズン以来、4季ぶりに2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦する意欲を見せた。SPを含めると3発の大技で、イリーナ・スルツカヤ(ロシア)に並ぶファイナル最多4勝を目指す。

 公式練習が始まってから25分後、浅田が今大会に懸ける決意を氷上で示した。トリプルアクセルを軽やかに決めると、滑らかなスケーティングを経て、最初に跳んだ位置と逆サイドで再び大技だ。着氷が乱れたが何とか踏ん張り、後ろに2回転トーループをつけた。7日のフリーで大技2発に挑戦。「フリーではアクセル2回の構成に変えてきている。(7日の)練習次第で2回入ればいいな」と気合を入れた。

 フリーの振り付けを担当したタラソワ氏のアシスタントのフォレ氏が、NHK杯後の11月18日から1日まで日本に滞在して手直しを行った。カナダで行ったSPの手直しはわずか2日で終えたが、フリーは2週間という異例の長期間。トリプルアクセルを跳ぶためにはやや長めの助走期間が必要で、ジャンプだけでなくつなぎの部分やステップなど細かく修正した。

 バンクーバー五輪シーズン以来、4季ぶりに挑戦するSP1回、フリー2回の大技構成。トリプルアクセル2発を入れたフリーでは3回転ルッツを外すため、基礎点合計は51・76点。実は今季ここまでの大会の予定ジャンプの基礎点は53・06点で、今回の方が1・30点下回るが、難度は最高と言える。「昔は得点を気にしていたけど、今は気にしていない。納得できる演技をしたい」と浅田。スコアよりも自分の限界への挑戦がテーマだ。

 今大会でメダルを獲得すれば、ソチ五輪代表争いでアドバンテージを得る。金メダルならスルツカヤと並んでファイナル最多の4勝目だ。「一つ一つの試合で自分の課題をクリアすることが五輪につながる。自分の目指しているレベルを達成することが目標です」。大技を全て決めた時、浅田がまた一歩、世界の頂へ前進する。

◇浅田のフリーのジャンプ構成◇

【NHK杯まで】
種類(基礎点) 
3回転半(8.50)
3回転フリップ―3回転ループ(10.40)
3回転ルッツ(6.00)
★2回転半―3回転トーループ(8.14)
★3回転サルコー(4.62)
★3回転フリップ―2回転ループ―2回転ループ(9.79)
★3回転ループ (5.61)

合計点 53.06

【今大会】
3回転半(8.50)
3回転半―2回転トーループ(9.80)
3回転フリップ(5.30)
★2回転半―3回転トーループ(8.14)
★3回転サルコー(4.62)
★3回転フリップ―2回転ループ―2回転ループ(9.79)
★3回転ループ(5.61)

合計点 51.76 

 ▽ソチ五輪への道 男女ともに日本の枠は3。最終選考会は21日開幕の全日本選手権(埼玉)で、優勝者は代表に決定。2人目はGPファイナル日本人最上位メダリストと全日本の2、3位選手の中から選考。2人目の選考から漏れた選手と、世界ランク日本人上位3人、国際大会のベストスコア日本人上位3人の中から3人目の代表を選考する。浅田は世界ランク、ベストスコアの両方で日本人トップが確定している。

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