寺川 現役引退決意 29歳“2度目”の決断

[ 2013年12月3日 05:30 ]

引退を決意した寺川綾

 競泳のロンドン五輪女子100メートル背泳ぎ銅メダリストの寺川綾(29=ミズノ)が引退することが分かった。複数の関係者の話で明らかになった。4日に会見が行われる予定。ロンドン五輪でのメダル獲得後、一度は引退の意向を撤回。今季は世界選手権(バルセロナ)の50メートル、100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得し、日本記録もマークしていた。

 美人スイマーが引退を決意した。寺川は昨年のロンドン五輪の競泳女子100メートル背泳ぎと400メートルメドレーリレーで銅メダル獲得。今季も世界選手権で日本記録を出すなど圧倒的な強さを誇っていたが、複数の関係者によると、現役引退の意向を固めたという。4日に会見を開いて発表する。

 寺川は04年アテネ五輪に初出場し、200メートル背泳ぎで8位。その後は低迷が続き、08年北京五輪の出場を逃した。同五輪後、ライバルでアテネ、北京両五輪200メートル背泳ぎ3位の中村礼子を指導し、男子平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)を育てた平井伯昌コーチに師事。見事に復活を果たし、昨年のロンドン五輪出場を果たした。

 集大成と位置づけていたロンドン五輪では、個人種目は100メートル一本に絞り、銅メダルを獲得。その後、一度は現役を退く意向を示したが「泳ぎたくなった」と翻意して現役続行を決意。国内でのライバル不在に苦言を呈すこともあった。「最後の世界選手権になるかもしれない」と金メダルを目指した今夏の世界選手権では50メートルと100メートルの背泳ぎ2種目で銅メダルを獲得。28歳での表彰台は日本女子として世界選手権最年長の偉業だった。

 今後については、4日の会見で話すとみられるが、11月初めのイベントでは「7年後の東京五輪で泳いでいることはないと思いますが、子供たちが五輪に出てみたいと思ってくれるような活動をしていきたい」と話しており、指導や競技普及に関わると見られる。寺川は50メートル、100メートルとも日本記録を保持しており、トップに君臨したままの引退となった。

 ◆寺川 綾(てらかわ・あや)1984年(昭59)11月12日、大阪市生まれの29歳。3歳から水泳を始め、高3時に出場した02年パンパシフィック選手権の女子200メートル背泳ぎで2位に入り国際大会初のメダルを獲得。女子50メートル、100メートル背泳ぎの日本記録保持者。04年アテネ五輪の女子200メートル背泳ぎ8位。12年ロンドン五輪は100メートル背泳ぎと400メートルメドレーリレーで銅メダル。近大出。1メートル74、60キロ。

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2013年12月3日のニュース