日馬富士9連勝で幕内500勝!羊毛球リフティング効果だ!

[ 2013年11月19日 05:30 ]

<大相撲九州場所9日目>栃乃若(右)をのど輪で攻める日馬富士(

大相撲九州場所9日目

(11月18日 福岡国際センター)
 横綱・日馬富士が節目の幕内500勝を達成した。平幕の栃乃若を寄り切り初日から9連勝。九州入り後、新たなトレーニング方法で慢性的に痛めている足首をケアし6度目の優勝に向け順当に白星を重ねている。ライバルの白鵬も豊真将を危なげなく寄り切り全勝をキープ。平幕の碧山が敗れ1敗がいなくなり、2大関を含む2敗の5人が全勝の2横綱を追う展開となった。
【9日目取組結果】

 小よく大を制すは“無差別級”の相撲の醍醐味(だいごみ)だが、そんなことすら感じさせないのが今場所の日馬富士の強さだ。

 幕内最軽量の135キロの横綱に対し、栃乃若は181キロ。立ち合い直後の強烈な左右の喉輪で46キロ重い相手の出足を止め、懐に潜り込んで一気に寄り切った。初日から9連勝で幕内勝利数を節目の500とし「体がよく頑張っている」と満足げに振り返った。

 横綱昇進から丸1年経験したが、両足首のケガもあって優勝は今年の初場所だけ。毎場所のように批判の対象となり、並の力士であれば心がなえてもおかしくない。それでも、いつも「私はこれからです」と自分に言い聞かせるように話していた。この日対戦した栃乃若は、2年前のこの場所で敗れている相手だったが「過ぎたことは過ぎたこと。勝負事は過ぎたことを引きずっていては前に進めない」とポジティブに物事を捉える。

 不安を抱える足首を鍛え直すため、今場所からユニークな稽古も取り入れた。朝稽古中、故郷モンゴルから取り寄せた羊毛で作ったボールを華麗にリフティング。「足首が痛いから自分で考えた。負担がかからないように足首の周りの筋肉をつける。集中力も高まる」。福岡で購入したバスケットシューズを履き、巧みに両足のインステップとサイド、ヒールを使ってボールを落とさず連続23回。その後、片足をもう一方の後ろに回してインで蹴り続けるトリックも見せ「うまいでしょ?」と自画自賛した。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は体調不良で入院中だが、既に歩行できるまで回復。2週間の予定だった入院も早まる可能性が出てきたという。

 後半戦に向け「これからが大事」と話す横綱の安定感が何よりの回復薬であることは間違いない。

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2013年11月19日のニュース