さくら逆転今季4勝目 ついに賞金トップ 4年ぶり女王前進

[ 2013年11月18日 05:30 ]

優勝した横峯はカップを前にVサイン

女子ゴルフツアー 伊藤園レディース最終日

(11月17日 千葉県長南町 グレートアイランド倶楽部=6639ヤード、パー72)
 女王争いで、ついに頂点に立った。首位と1打差の4位から出た横峯さくら(27=エプソン)は4バーディー、ノーボギーの68をマークし、通算10アンダーで今季4勝目、ツアー通算22勝目を飾った。今季の獲得賞金は1億1900万円余りとなり、通算6アンダーの10位に終わった森田理香子(23=リコー)を約1170万円上回り、賞金ランク1位に浮上。09年以来4年ぶり2度目の賞金女王に前進した。
【最終R成績】

 2位と1打差の首位で迎えた18番パー4。2年前の苦い記憶が横峯の頭をよぎった。11年大会は首位で迎えたこのホールで、第2打をグリーン左の池に打ち込み、ダブルボギーで優勝を逃した。同じ轍(てつ)は踏まなかった。残り140ヤードの第2打は池のあるピン方向の左を狙わず、9Iできっちりとグリーン右を捉えた。10メートルから2パットでパーをセーブ。最終組の大山のバーディーパットが外れて優勝が決まると「一番苦労したホール。パーで上がれてよかった」と、ようやくホッとした笑顔を浮かべた。

 8月から帯同するメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(32)は“許容範囲を広げること”をテーマに横峯を指導している。前日も「首位で迎えた18番でショットを池に入れてしまった時のことを想定しよう」と話し合い、最終的に「池に入れてダブルボギーでもいいや」(横峯)と許容範囲を広げた。15番で吉田に並ばれた時も「残り3ホールでスコアを伸ばしたいと思ってもいいが、2位でもいいや、と。ガツガツ狙いにいくとダメになるので」と冷静さを保った。「リーダーボードは全部見ていました」と優勝争いを楽しむ余裕で優勝につなげた。

 メンタルの安定は技術面にも好影響を及ぼしている。今季の平均パット数は1・7535で1位。「昨年はヘッドアップしないという目標があって、思い通りのストロークができなかったら、バーディーでも“あ~”と悔やんでいた。今季はヘッドアップしなかったら入っても入らなくてもOK」と気負わないパットで昨年の1・7845(7位)から改善した。

 今季4勝目を挙げ、獲得賞金は1億1900万7638円に達し、森田をかわして今季初めて賞金ランク1位に躍り出た。残り2試合は追う立場から追われる立場に転じるが、それすらも楽しみに感じている。「また違うプレッシャーがあると思うけど、それも受け入れながら頑張りたい」。心身ともに強くなった27歳。09年以来の女王となったとき、さくらは満開となる。

 【勝者のクラブ】▼1W=ゼクシオ・セブン(ロフト角9・5度、シャフトの長さ45・5インチ、硬さS)▼3W=ゼクシオ・セブン▼5W=ザ・ゼクシオ▼9W=新ゼクシオ▼5UT=スリクソン・ニューZハイブリッド・ユーティリティー▼6~AW=ゼクシオ・セブン▼ウエッジ=クリーブランドCGF2(56、60度)▼パター=オデッセイ・バーサ♯1▼ボール=スリクソン・ZスターXV

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