白鵬 史上最速幕内700勝、30回目ストレート給金

[ 2013年11月18日 05:30 ]

白鵬は突き倒しで豪風を下し、史上最速となる新入幕から57場所目で幕内700勝を達成

大相撲九州場所8日目

(11月17日 福岡国際センター)
 28度目の優勝と九州場所7連覇を狙う横綱・白鵬は平幕の豪風を突き倒し、自身の持つストレート給金直しの最多記録(1場所15日制定着後)を30回に伸ばした。安定感抜群の負けない相撲を取り続け、幕内700勝も達成。新入幕から57場所目での区切りの白星は北の湖の61場所を抜き、史上最速記録となった。日馬富士も豊真将を押し出して初場所以来の全勝ターン。両横綱を1敗で追うのは平幕の碧山のみとなった。
【8日目取組結果】

 30回目のストレート給金を果たした取組後の支度部屋。白鵬は自身が格下に負けない理由を問われ、じっくりと考えた。「どうでしょうね。日頃の積み重ね。一番一番のイメージというかな。心と体のかみ合わせ。その辺が一致しないと、まあそうできないのじゃないかな」。最近1年半で中日までに黒星を喫したのは今年初場所3日目の妙義龍戦の1度だけ。勝敗にすると71勝1敗。今場所もいつも通りに波乱なく折り返し地点を迎え、その表情におごりも怠りも見えなかった。

 天が与えた素質に加え、入門以来積み重ねてきた質の高い稽古。それに裏打ちされた絶対的な自信によって横綱の心技体は形成される。あとは、それを土俵で体現するだけだ。この日も1メートル70の豪風に対し「無理せず攻めた」と冷静に相手を見ながら突いたり、いなしたり。10秒近く時間をかけて最後は土俵際で突き倒した。決して無理には攻めない。だからケガをすることもない。

 体は出来上がっていると自負するため、日々の暮らしでいかに心を鍛え続けるかに重点を置く。場所前の6日夜には大分県宇佐市に出向き、最も尊敬する力士、第35代横綱・双葉山の生家を訪問。初めてではないが「何度行ってもいいもの。新鮮で」と前人未到の69連勝を果たした先人が育った場所を心でじかに感じ、28回目の優勝に向けて緊張感を高めていた。

 これで史上最速となる新入幕から所要57場所目で節目の幕内700勝を達成。9日目に勝てば幕内勝利数史上6位の貴乃花に並ぶ。「まあ、これからも頑張ります」。円熟味を持つ28歳が望むのは日馬富士との楽日全勝決戦。それぐらいじゃないと、もはや刺激が足りない。

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2013年11月18日のニュース