ルーがツアー初V 台湾のプロ8年目 「ヨカッタ。アリガトウ」

[ 2013年11月11日 06:00 ]

優勝カップを手に笑顔を見せるルー

USLPGAツアー スポニチ主催2013ミズノクラシック~伊勢志摩~最終日

(11月10日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 震える手を叱咤(しった)してパターを握った。ルーは「緊張した」という最終18番で4・5メートルのウイニングパットを沈めてガッツポーズ。プロ8年目にして初めて堪能する優勝の味を「ヨカッタ。ミナサマ、アリガトウゴザイマス」と日本語で表現した。

 独壇場だった。強風で多くの選手がショットに苦しんだ。だが、「母国の台湾では冬に風が強く吹くので、弾道を低く打つ練習をした。風に強いと言われるけれど、そういう環境があったから」と意に介さなかった。低めのショットでチャンスを演出し、バックナインで圧巻の6バーディーを奪った。

 母国の名選手に手ほどきを受けている。ホームコースの淡水GCには日本ツアー通算58勝のト阿玉も所属。母国に帰るたびに練習ラウンドをともにし、スイングなどを見てもらうという。教えを受けたことで、もともと得意の1Wは精度を増し、今季はここまで日本ツアー最多の10イーグルを記録。昨季、森田が樹立した年間最多記録の11に迫っている。

 05年に米国でプロ転向。翌06年から米ツアーに参戦したが、思うような結果が出ずに苦しんだ。09年に「環境を変えたかった。日本なら(台湾と)同じアジアだし、食べ物や交通の便もいい」とツアー出場予選会(QT)を受験し、10年から本格的に日本ツアーに参戦した。今季が4シーズン目。「率直に言えばもっと早く優勝したかった」と振り返った。

 再び米ツアーの出場権を獲得し、リベンジの環境は整ったが、「米ツアーには自分を試す意味でも挑戦したいが、日本が好きだし、この環境でずっとプレーしたい」。大好物はすき焼きとふぐ料理という26歳が、偉大な先輩と同じように勝ち星を積み重ねていく。

 ◆テレサ・ルー 1987年10月13日、台湾生まれの26歳。11歳からゴルフを始め、台湾ナショナルチームの一員として活躍。05年11月にプロ転向し、米ツアーの予選会に参加。条件付きで出場資格を得て翌06年から米ツアーに参戦。07年から10年まで賞金シードを獲得。10年からは日本ツアーにも参戦し、11年から日本を主戦場とする。昨年の賞金ランクは39位。1メートル64、58キロ。

 【勝者のクラブ】▼1W=キャロウェイ・レガシーブラック440(ロフト角9・5度、シャフトの硬さS、長さ45・5インチ)▼3W=キャロウェイ・Xホット(15度)▼3、4U=キャロウェイ・レガシーブラック(20、23度)▼5I~PW=キャロウェイ・Xフォージド▼ウエッジ=キャロウェイ・MACK DADDY2(50、54、58度)▼パター=オデッセイ・プロトタイプ▼ボール=キャロウェイHEXブラック

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