織田「ラッキー」SP2位!戦国男子の代表争い制す!

[ 2013年10月27日 06:00 ]

男子SPで演技する織田信成

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦スケートカナダ第1日

(10月25日 カナダ・セントジョン)
 群雄割拠の戦国時代なら俺の出番だ!!男子ショートプログラム(SP)で、織田信成(26=関大大学院)が80・82点で2位発進。激化する14年ソチ五輪の代表争いで、戦国武将・織田信長の末裔(まつえい)がアピールした。羽生結弦(ゆづる、18=ANA)は80・40点で3位、パトリック・チャン(22=カナダ)が88・10点で首位に立った。女子SPでは鈴木明子(28=邦和スポーツランド)が65・76点で3位につけた。

 コミカルで自分にピッタリのプログラムを笑顔で締めくくった織田だが、胸の内は笑いには程遠かった。得点源の4回転トーループで転倒するなど、納得のいかない演技内容で首位のチャンに7・28点の大差をつけられた。それでも、他のライバルにもミスが相次ぎ、終わってみればSP2位の好位置。上位3人が呼ばれた記者会見では「ここに座れてラッキー」と照れ笑いを浮かべた。

 練習で安定感抜群だった冒頭の4回転が不発。「(踏み切り前の)スピードがなかった。自分をコントロールしていたつもりだったが、どこかで緊張していたのかも」。最初の大技だけでなく、スピンやステップでの得点の取りこぼしも目立った。9月末のネーベルホルン杯では技のつなぎの評価が低く、それを改善して臨んだが、得点は7・18点で同じ。「7点台後半じゃないと。変わってないのは何でかな」と多くの課題が残った。

 2季前に左膝を故障し12、13年と世界選手権出場を逃した。捲土(けんど)重来を期す今季は、現役ラストシーズンだ。先週のGP開幕戦で関大の後輩・町田が、合計265・38点の世界歴代5位の高得点で優勝した。「同じ大阪で滑っている関大生。自分も頑張ろう」と織田。高橋、小塚、今大会をともに戦う18歳・羽生に無良を加えた日本男子のソチ五輪代表争いは世界一の混戦。しかし、戦国武将・織田信長の末えいの26歳には、群雄割拠の状況は逆に血が騒ぐに違いない。

 26日(日本時間27日)のフリーでは4回転を2度跳ぶ予定。「SPは失敗したが、気持ちを切り替えたい。思い切り自分の力を出せたらいい」。日本男子の混戦を断つために、4回転は絶対に必要な武器。大技を軽やかに決めて、夢舞台への道を力強く突き進む。

 ▽ソチ五輪への道 男女ともに枠は3。最終選考会は12月の全日本選手権(埼玉)で、優勝者は代表に決定。2人目はGPファイナル日本人最上位メダリストと全日本の2、3位の中から選考。2人目の選考から漏れた選手と、世界ランク日本人上位3人、国際大会のベストスコア日本人上位3人の中から3人目の代表を選考する。

◇スケートカナダ男子SP成績◇
(1)チャン(カナダ)88.10
(2)織田 信成(関大大学院)80.82
(3)羽生 結弦(A N A)80.40
(5)無良 崇人岡山国際スケートリンク)73.08

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2013年10月27日のニュース