遼破った男 37歳の小林 メジャー初Vに望み

[ 2013年10月20日 06:00 ]

9番、バーディーパットを放つ小林正則

男子ゴルフツアー日本オープン第3日

(10月19日 茨城県つくばみらい市 茨城ゴルフ倶楽部・東コース(=7320ヤード、パー71)
 ツアー通算2勝の小林正則(37=フリー)がメジャー初優勝に望みをつないだ。5位から出て、4バーディー、2ボギーの69で回り、通算6アンダーの207で2位に浮上した。3打差の首位に立つ千葉・東京学館浦安高の3学年後輩、小田孔明(35=フリー)との直接対決を制し、来年に予定する結婚披露宴に花を添える。

 2つ伸ばして迎えた223ヤードの17番パー3。ティーショットを右のラフに曲げた小林は寄せきれず1・5メートルのパーパットを残した。逆転優勝を狙うには一打も落とせない状況だったが「気持ち悪かったけど自信を持ってタッチを合わせてカップを広く使おうと思った」と冷静にスライスラインを読み切り、3日間連続の69で2位に付けた。

 この日のパーオン率は全体1位の77・78%とショットも抜群だったが、勝負どころでパットが決まった。8番は10メートルのロングパット、11番は1メートルを確実に決めて伸ばした。後輩の小田が首位に立った中盤以降は「力んでいた」と言うが、184ヤードの13番パー3は8Iで1メートルに付けてバーディーを奪うなど、インはイーブンパーで耐えた。7月に結婚し、この日会場に訪れた麻理子夫人(25)の声援も力に変えた。

 ハネムーンを兼ねて出場した9月のスイスとウェールズでの欧州ツアー2試合は予選落ちしたが、そこでは約半数の選手が左手を下にして握るクロスハンドでパッティングをしており「どうせ入らないんだから」と取り入れた。また、目標ラインよりも外にパターを引く癖があったが、欧州から帰国後の9月のパナソニック・オープンで、ベテランの加瀬秀樹から助言をもらって改善。右足を半足分ほど引いて構えると、ラインより内側に引けるようになり「夏場より良くなってきた」と不安も消えた。

 11年のとおとうみ浜松オープンでは石川遼とのプレーオフを制してツアー初優勝を飾るなど、ここ一番での勝負強さがある。最終日の後輩・小田との決戦に向け「自分のゴルフをして結果がついてこなかったら仕方ない」と言った。愛する人が見守る前で日本一の男になる。

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2013年10月20日のニュース