片山 5年ぶり優勝「復活ではなく新生」中嶋金言で奮起

[ 2013年10月7日 06:00 ]

5年ぶりの優勝を決め、ガッツポーズをする片山

男子ゴルフツアー コカ・コーラ東海クラシック最終日

(10月6日 愛知県みよし市 三好カントリー倶楽部西コース=7315ヤード、パー72)
 永久シード保持者の片山晋呉(40=フリー)が5年ぶりの優勝で通算27勝目を挙げた。本戦で67をマークし、通算7アンダーで星野英正(36=フリー)、冨山聡(35=SMGインターナショナル)とのプレーオフに突入。1ホール目で制した。最後に勝った08年以降ゴルフへの情熱を失いかけた時期もあったが、中嶋常幸(58=フリー)の金言で意欲が復活。目標の40代賞金王に「新生・晋呉」で挑戦する。

 26回も味わったことのある過去とはひと味違った。80センチのウイニングパット。慎重に沈め、片山が5年の空白を埋めた。「初優勝とはまた違う。またやれるという実感があるね」。5年ぶりの27勝目は「復活ではなく新生」と言う通り、ニュー晋呉のお披露目式だった。

 首位に1打差の終盤で見せ場をつくった。右手前にピンが切られた17番、18番はグリーン手前にバンカーや池がある。だが、「今の僕ならあそこに打てる」と果敢にピンを狙った。結果、いずれも2・5メートルに寄せた。18番はバーディーを取り損ねたがスーパーショットが同組で首位だった星野への重圧になりプレーオフにもつれ込ませた。

 08年に3勝し賞金王になった翌年、マスターズで日本人最高位タイの4位に入った。ところがあこがれの舞台で持てる力を発揮したことで直後から虚脱感に襲われた。「どうしたらいいか分からない」。数学者や寺の住職、時には自己啓発の講習会にも参加し情熱を取り戻す方法を模索した。そんな時、手を差し伸べてくれたのが中嶋だった。「おまえは炭でいろ。炭ならいつか火が付く時がある。灰になったらダメ」と諭された。

 「あの言葉がなかったら本当に灰になっていた。あれで勝つ準備はしておこうと思った」と振り返った。40歳以降に63勝し賞金王にも9回なった尾崎将司を念頭に体を整え、スイングも変えた。1Wの平均飛距離は40歳の今年、昨年より8・5ヤード伸び、プレーオフでは「会心」と言う310ヤードのショットで重圧をかけてパーセーブ。貫禄勝ちした。目標は40代での賞金王。さらには「もう一回マスターズだね」と因縁の舞台をも見据える。着火した心の火が消えることはもうない。

 ≪続いた「あと一歩」≫片山は09年以降も惜しい試合を続けていた。09年は3位に2度入り、獲得賞金も1億円を超え賞金ランク4位。10年はベスト5に4回、11年はベスト5に4回、12年も今大会でプレーオフの末に2位に終わるなど優勝まであと一歩だった。

 【勝者のクラブ】▼1W=フォーティーン・CT112(ロフト角9度、シャフトの長さ45・75、硬さX)▼3W=同・SF206▼5W=オノフ・フェアウェイアームズ▼7W=キャロウェイ・ビッグバーサ▼4、5U=オノフ・フェアウェイウィングス▼6I~PW=同・フォージド358▼ウエッジ=フォーティーンRM(52、58度)▼パター=オデッセイ・バック・ストライク2ボール▼ボール=ダンロップ・スリクソンZスターXV

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