松山 世界救った一打 主将絶賛!「初日のベストショット」

[ 2013年10月5日 06:00 ]

17番、アダム・スコット(後方)とラインを読む松山

プレジデンツ・カップ第1日

(10月3日 米オハイオ州ダブリン ミュアフィールドビレッジゴルフクラブ=7354ヤード、パー72)
 2人1組でホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボール形式で行われ、世界ランク2位のアダム・スコット(33=オーストラリア)と組んだ松山英樹(21=東北福祉大)は米国選抜のビル・ハース(31)、ウェブ・シンプソン(28)組と対戦。1ダウンで迎えた18番でスーパーショットを放ってバーディーを奪い、引き分けに持ち込んだ。第1日は米国選抜が3勝1分け2敗で3・5―2・5とリードした。第2日は1つの球を2人が交互に打つフォアサムで争う。

 1ダウンで迎えた18番パー4。残り168ヤード、松山は8Iでピンの根元へ突き刺すスーパーショットを放った。ピン奥30センチに付けたボールを相手が拾い上げた。パットを打つ必要のないOKバーディー。世界選抜の主将プライスが「初日のベストショット」と称えた一打で、土壇場で引き分けに持ち込んだ。

 「相手がどこからでも入る感じだった。(18番は)セカンドを入れるつもりで打とうと、アダム(スコット)と話していた。最後にちょっとだけ貢献できた。引き分けにできたことは大きい」と安どの表情で話した。

 厳しい戦いだった。序盤からハース、シンプソンの実力者コンビが優勢。流れが変わったのは15番パー5。スコットのチップインイーグルで1ダウンとすると「まだ行けると希望が持てた」。16番では松山が3メートルのバーディーパットを沈めてオールスクエア。17番で再びリードされたが、最後の最後の大仕事でスコットを「パートナーに恵まれた」とうならせた。

 最終的な採用スコアが両組とも11アンダーという超ハイレベルな攻防。松山は中盤まで見せ場がなく「途中まで蚊帳の外」と自己採点は厳しいが世界選抜副主将の丸山茂樹は「あれでぶつくさ言ってたら問題だよ」とショットの切れを称えた。

 初めての大舞台に不安を感じていた。開幕直前には風邪をひいた。世界選抜で1人だけ英語ができないのもストレスとなった。「緊張する」と何度も漏らした。だが、試合になればスイッチが入る。ブッシュ前米大統領がスタートを見守り、どのホールも米国を応援する観客で埋まる完全アウェーながら「ギャラリーが多すぎて逆に落ち着いた」と萎縮しなかった。

 第2日もスコットと組む。「2日目は最初からいいプレーができるようにしたい」。また、世界を驚かせるショットを打つ。

 ▽プレジデンツ・カップ 米国と欧州の対抗戦ライダーカップに倣い、米国選抜と世界選抜(米欧以外)の対抗戦として1994年に始まる。隔年開催で今回が第10回(米中枢同時テロの影響による延期が1度ある)。過去の対戦成績は米国選抜の7勝1分け1敗。試合はマッチプレーで争われ、第1日はフォアボール6試合、第2日はフォアサム6試合、第3日は午前にフォアボール5試合、午後にフォアサム5試合、最終日はシングルス12試合を行う。勝ちは1点、引き分けは0.5点で4日間の合計点で勝負を決める。

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