またかPGA…今度は副会長が暴力団とゴルフ

[ 2013年10月3日 06:00 ]

前田新作PGA副会長

 プロゴルファーの資格認定やシニアツアーなどを管轄する日本プロゴルフ協会(PGA)の前田新作副会長(61)が、暴力団会長とのゴルフを理由に辞任を申し出ていたことが分かった。PGAの倫理規定では暴力団との関係を禁じており、9月に暴力団会長とのラウンドが発覚した阪東忠義前理事(67)が、会員資格停止処分を受けたばかり。相次ぐ問題発覚に今後のPGAの対応が問われそうだ。

 元幹部と暴力団との不適切な関係が問題となったPGAに再び衝撃が走った。この日午後、一部メディアに前田副会長が、詐欺罪で起訴された特定抗争指定暴力団・道仁会(福岡県久留米市)会長の小林哲治被告と6月18日に熊本県内のゴルフ場で一緒にゴルフをしていたことが報じられた。当初、PGAの担当者は「調べてからじゃないと、どう対応するか分かりません」と話していたが、その後関係者に書面で経緯を報告した。

 それによれば、9月18日に前田副会長よりPGAの顧問弁護士に報告があり、20日に顧問弁護士が事情聴取。前田副会長の行為がPGAの倫理規定に抵触する恐れがあるとして、調査委員会を設置し30日に同委員会が再度、前田副会長に聴取を行った。その面談の際に前田副会長からは理事職、代議員の辞意の表明があったという。

 PGAでは9月7日に阪東前理事が、6月19日に熊本県内のゴルフ場で小林被告とプレーしていたことが発覚。理事職を辞任したが、17日の理事会で8カ月の会員資格停止処分を受けていた。阪東前理事は前田副会長が小林被告とゴルフをした際も一緒で、2日続けて小林被告とプレーをともにしていたとされる。関係者の間では以前から2人の交友関係を心配する声も出ていたという。

 一方でPGAの対応にも疑問が残る。前田副会長から報告があったのは阪東前理事の資格停止処分が決まった翌日の18日。30日には詳細な事情聴取も行っていたが、すぐにその事実を明らかにしなかったのは隠蔽(いんぺい)を疑われても仕方がない。前田副会長はPGAのツアー競技管理委員長を務めており、主催する日本プロ選手権やシニアトーナメントのスポンサー、ファンからPGAに厳しい目が向けられるのは確実だ。

 ▽日本プロゴルフ協会 57年に設立された男子プロの団体。今年5月に公益社団法人に移行した。ゴルフの普及、ゴルフ分野のスポーツ振興および社会貢献を掲げる。男子ツアーのメジャー、日本プロ選手権を主催し、男子シニアツアーを管轄している。なお男子ツアーは日本ゴルフツアー機構(JGTO)が管轄している。

 ◆前田 新作(まえだ・しんさく)1952年(昭27)2月9日、大阪府出身の61歳。75年のKBCオーガスタでツアー初優勝。84年賞金王。レギュラーツアー通算8勝。06年PGA副会長就任。

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2013年10月3日のニュース