松山 強い今季3勝目!ギャラリーの前で「金」宣言も

[ 2013年9月9日 06:00 ]

プレーオフ2ホール目、ウイニングパットを決めガッツポーズする松山

男子ゴルフツアー フジサンケイ・クラシック最終日

(9月8日 山梨県南都留郡 富士桜カントリー倶楽部=7437ヤード、パー71)
 開催が決まった20年東京五輪での金メダルへ、怪物が最高のスタートを切った。4打差の首位で出た松山英樹(21=東北福祉大)は3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73。通算9アンダーに後退したが、同スコアで並んだ谷原秀人(34=フリー)、S・J・パク(27=韓国)とのプレーオフを2ホール目で制して6月のダイヤモンド・カップ以来となる通算4勝目(今季3勝目)を挙げた。
【最終成績】

 勝負どころで強さが光った。プレーオフ2ホール目の18番パー4。2打目を1・5メートルにつけたS・J・パクに大歓声が飛んだが、「内側につけてプレッシャーを掛けてやろうと思った」と松山の闘志は萎えてなかった。バンカーから195ヤードの第2打を6Iで1メートルに乗せる。地鳴りのような歓声が富士の麓にこだました。動揺したパクがパットを外したのに対し、怪物はきっちり沈めて拳を3度振った。

 20年東京五輪開催が決定した記念すべき日に、今季3勝目。表彰式ではゲストの98年長野五輪スピードスケート女子500メートル銅メダリスト、岡崎朋美(41)から「金メダル待ってます」と7年後の活躍を期待された。優勝してマスターズ初切符を獲得した10年アジア・アマチュア選手権の会場だった埼玉・霞ケ関CCが舞台となる東京五輪に向け「金メダルを目指して頑張りたい」と宣言。ギャラリーからも盛大な拍手が送られた。

 苦しんだ18ホールだった。同組のS・J・パクの猛追を受け、前半で並ばれた。後半もショットの精度は上がらず15番はティーショットがあわやOBのピンチ。16番パー3は大ダフリして“池ポチャ”でダブルボギーとしが、進藤キャディーから「やられたら倍返しだ」と激励され奮起。最終18番では1メートルのパーパットを外したが、プロ初のプレーオフでは「勝つか負けるか」と開き直り、集中力を発揮した。

 賞金2200万円を手にし、今季の獲得額は約1億5194万円となった。賞金ランク2位のS・J・パクとの差を約9710万円に広げ、ルーキー史上初の賞金王へ大きく前進。次戦のANAオープン(19日開幕、札幌GC輪厚)で連勝すれば81年のルーキーイヤーに倉本昌弘が4勝した日本記録に並ぶ。「メジャーで勝てる選手になりたい」。日本人初のメジャー制覇を本気で狙う怪物に不可能はない。

 ≪最速記録≫出場12試合での1億5000万円超えは96年の尾崎将司を抜き最速記録。

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